東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「私はマスクをしないで最後まで頑張る」と発言して波紋を呼んだり、菅義偉官房長官が会見で供給不足に陥っているマスクの増産に向けた取り組みを強調したりするなど、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスクをめぐる混乱は、まだまだ収まりそうにない。そもそも売り場にマスクがない。そしてその影響は、回り回ってこんなところにも…。
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「夜行バス、乾燥するからマスクあった方がいいけど、このマスク品薄の中わざわざ急に迫られてない私が買いに行くのはなぁ…」
2月中旬、Twitterに投稿されたそんなつぶやきが爆発的に読まれた。何故なら、投稿した乱会さん(@ransedoukoukai)のアクロバティックな解決法に、多くの人が腰を抜かしたからだ。歴史をこよなく愛する、いわゆる歴史クラスタの乱会さん。「これならマスクとほぼ同じ機能…」と気づき、なんと家にあった戦国武将・大谷吉継の頭巾のレプリカを身に着けた写真を公開したのである。少し形は違うけど、確かにこれなら乾燥も防げて安心ですよね!
刑部(ぎょうぶ)の通称でも知られる大谷吉継。NHKの大河ドラマ「真田丸」で、片岡愛之助さんが演じていたのを覚えている人もいらっしゃるのでは。ちなみにあの頭巾は、病気で爛れた顔を隠すためのものという説が有名だ。
乱会さんは小学3年生のときに学習漫画で大谷吉継を知り、あまりのかっこ良さに衝撃を受けて以来の熱烈なファン。家に初めてネット回線が引かれた際は、いの一番に「大谷吉継」と検索し、ヒットしたページを全部チェックするほどだったという。
ただ、乱会さんによると、我々の知る大谷吉継のイメージは江戸時代に書かれた軍記や近現代の小説によって形成された部分が大きいといい、実際にどんな人物だったのかは、史料的な制約もあってなかなか語りにくいのだそうだ。
ちなみにこの頭巾のレプリカ、ちょっと変わった歴史グッズを扱う小川新聞店(岐阜県)の商品。同店によると、150種ほどある商品の中でもかなりマニアックな部類のため、普段はほとんど売れないのだが、乱会さんの投稿が話題になった影響で、珍しく立て続けに注文が入ったという。税込み4730円。
http://www.ogawashinbunten.com/shopdetail/000000000009/
そうそう、言い忘れておりましたが、乱会さんが夜行バスを利用したのは、関ヶ原古戦場に行くためだったとのこと。本当にこれを着用して乗ったのかどうかは、聞くだけ野暮というものです。聞いたけど。