猫の保護団体でボランティアさんをしている山口さんは、4匹の子猫のミルクボランティアをすることになった。4匹預かって2匹は譲渡。大きな喪失感を感じ、残る2匹は山口さんが飼うことにした。2匹を迎えることで、先住猫ラテちゃんも元気になった。
ミルクボランティアやってみない?
千葉県に住む山口さんは、2005年8月に保護したニイくんという猫を飼っていた。1匹ではかわいそうだと思い、2012年2月、ペットショップで売れ残っていたマンチカンのモナカちゃんを迎えたが、ニイくんがモナカちゃんと仲良くなれなかった。モナカちゃんのためにお友達猫を迎えようと思い、ラテちゃんという保護猫を迎えたが、今度はモナカちゃんが拒否。ケンカにはならないが、3匹それぞれ単独で暮らしていた。
「ラテの性格が良く、面倒見がいいので、4匹目の猫を迎えることを考えていたんです。そんな時、ミルクボランティアの話をいただきました」
ごはんを与えるだけのつもりが
山口さんは、猫の保護団体でボランティアさんをしているが、ミルクボランティアをしてくれないかと言われた。
「最初はミルクをあげて育てるなんてできるのかと思いました。でも、団体がバックアップしてくれるのでやってみようと思ったんです。生後2週間になるかならないかという子猫を4匹預かりました。体重250gくらい、3時間おきにミルクをあげて、排尿、排便を手伝いました。やり方は、動物愛護センターから依頼されてミルクボランティアをしている人に教えてもらいました」
4匹の子猫たちは、ある男性がアパートのベランダでごはんを与えていた野良猫の子供だった。猫が可愛くてごはんを与えていたが、妊娠して、お腹が見る間に大きくなっていったので、慌ててベランダにダンボールで作った産箱を置いたという。
「男性は、あとから考えたら不妊手術をしないといけなかったと言っていました。親猫は引き取るが、子猫は難しい。なんとか子猫だけ引き取ってくれないか、と相談されたんです」
先住猫ラテちゃんが元気に
山口さんは、人間の子供を育てる以上に気を遣って子猫たちを育てた。
「人間だったら、体調が思わしくなければ救急車を呼んで病院に行けばいいのですが、猫の場合、救急病院も限られているので、何かあったらどうしようと思ったんです」
4匹とも譲渡会に出すつもりだったが、その前にお嬢さんの学校の担任の先生に2匹譲渡した。
「譲渡できたのはよかったんですが、一気に2匹いなくなったので喪失感がありました。寂しくて、世話をするうちに情が移ったこともあり、残りの2匹はうちで飼うことにしたんです」
1匹はムースちゃん、1匹はモカちゃんと名付けた。
子猫たちが成長して走り回るようになると、3匹目の猫、ラテちゃんが面倒を見るようになり、いきいきしてきた。ラテちゃんが間に入って子猫たちの喧嘩の仲裁をすることもある。いまでも追いかけっこをして一緒に遊ぶ。