全身全霊かけて探します!福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が話題…司書さんの知識と愛が深すぎる

広畑 千春 広畑 千春

 「男の子の名前で何とかのカバン」→「ハリーポッターとアズカバンの囚人」(お孫さんに頼まれました?)、「ラムネかサイダーみたいな名前の新人作家」→「清涼院流水」(確かに似てます)、村上春樹「とんでもなくクリスタル」→村上龍「限りなく透明に近いブルー」、田中康夫「なんとなくクリスタル」(合ってそうだけど全部違う)、「ねこのとうさん大ピンチ」→「ネズミ父さん大ピンチ」(下剋上起きた!)…

 あるあるを通り越して神がかり的ともいえる秀逸な覚え違いをまとめた福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」がSNSで話題になっています。きっかけとなったツイートは7.9万件のリツイートと19万もの「いいね」を集め、「めちゃくちゃ笑った」「このシリーズ書籍化して欲しい」という声も続々と。同図書館の担当者で司書歴20数年という吉川さん(女性)に聞いてみました。

 ―すごい反響です。

 「ええ。5、6年ぶりに波が来ました。このページ自体は2007年に作成されましたが、最初の波が2008年、その次が2013年、その後ぽつぽつとあって…今回はビッグウエーブですね。取材件数もものすごく多いです。前の波から少し経ったので、皆さん新鮮な思いで見て頂けたのかもしれません」

 ―そもそもなぜ、こうしたページを?

 「最初は、職員間の情報共有で書き記していたのですが、初代担当者がそれをHPに上げたら、気軽に問い合わせをしていただけるのでは…とアップしたそうです。上げている684例のうち、9割はカウンターで利用者の方とのもので、残りは職員間でのやり取りや情報提供によるものです。情報提供も最近はなかったのですが、今回話題になって今たくさん寄せられています」

 ―嬉しい悲鳴?ですね。

 「そうなんです。アップが追い付いていなくて…。これは皆さまにお話しているのですが、HPで『NEW』と書いてあるの、実は1年前のものなんです…。ごめんなさい。実は2~3年分たまっていて、最近、働き方改革とかある中で、どうしても優先順位が後回しになってしまって…。でも今、これだけ話題にして頂き、情報も寄せられ、早くアップしなければというプレッシャーとモチベーションがなまじ上がっている状態です」

 ―吉川さんもそんなご経験が?

 「はい。私共の図書館は職員が少なくて、司書の資格を持っている者は全員窓口業務も行います。私が経験したのはNo.9の『主婦の友』とかでよく見るんだけど名前の読めない人の本→奥薗壽子(おくぞの・としこ)さんの本、というのです。でも、こうしたレファレンス(照会)は全国どこの公共図書館でも行っておりますし、国会図書館のレファレンス事例をまとめたページもあります。どうぞ安心してお近くの図書館に行って頂けたら」

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