広島の“野良猫公園”に捨てられていた子猫たち 猫好きな人に拾われて幸せな猫ライフを送る

渡辺 陽 渡辺 陽

広島県の公園には、かつて野良猫がたくさんいた。野良猫たちのように暮らしていけるとでも思ったのか、3匹の子猫が捨てられていた。じつは、野良猫の一生は、それほど生易しいものではない。子猫たちは、幼少期より猫が大好きだった清水さんに拾われた。

 

公園に捨てられていた子猫

2012年8月、広島県に住む清水さんは、公園で3匹の子猫を保護した。当時、その公園にはたくさんの野良猫がいたので、清水さんはポケットにキャットフードを入れて、野良猫たちに与えていた。猫も清水さんの顔を見ると寄ってきた。しかし、その日は、見たことがない子猫が3匹、木の下にうずくまっていた。

「明らかにそのあたりの野良猫とは違っていて、たぶん捨てられたんだなと思いました。このままここにいたら、周りの野良猫たちの病気がうつってしまうので、箱を探して中に入れ、動物病院に行ってから家に連れて帰ったんです」

子猫たちにはノミがついていて、お腹には回虫もいた。飼う、飼わないは帰ってから考えることにした。ひとまず知り合いに電話して、「子猫を飼わない?」と尋ねると、ひとりだけ黒猫がほしいという人がいた。黒猫は2匹いたが、長くてまっすぐな尻尾の子が気に入ったようで、引き取ってくれた。

5匹の大所帯に

清水さんは、里親を見つけるのも大変なので、手元に残った2匹は自分で飼うことにした。黒猫をチイちゃん、トラ柄の猫をラッキーちゃんと名付けた。

以前、外猫だったシロちゃんを家猫にして、その後、チャコちゃんという三毛猫とゴマちゃんというキジシロの保護猫も飼っていたので、2匹が加わって猫は総勢5匹になった。チャコちゃんとゴマちゃんを迎えた時もシロちゃんが母猫の役をしてくれたが、今回もシロちゃんは、まるで我が子のようにチイちゃんとラッキーちゃんに接してくれた。チャコちゃんとゴマちゃんは、最初はフーっと威嚇していたが、シロちゃんが2匹を受け入れたので何も言わなくなった。

とにかく楽しい

猫が3匹から5匹になって、清水さんは楽しみが増えた。

「世話する手間は、あまり変わらなかったんです。それより、子猫同士が遊ぶのを見ているのも楽しいし、育てる楽しみもありました。予想できない動きをしたり、何がそんなに楽しいのかと思うほど走り回ったりして、思わず笑みがこぼれるんです」

チイちゃんとラッキーちゃんは、奥さんが重度の猫アレルギーなので、清水さんの会社の事務所で飼っている。事務所は実家でもあるので、夜は両親がいる。チイちゃんとラッキーちゃんは、パソコンをしているとキーボードの上に乗ってきたり、仕事中に膝に乗ってきたりする。

「遊んでほしいもんだから、わざといたずらをするんです」

幼い頃から猫が好きだったという清水さんは、仕事の邪魔をされようが何をされようが、まるで我が子のように猫たちを可愛がっている。

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