新富士駅「竹取物語」1150円

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柴田 直記 柴田 直記

 かぐや姫由縁の地と言われる静岡県富士市。新富士駅で売られている駅弁には名前を昔話からそっくりそのまま取った竹取物語が発売中だ。容器が竹で編まれた籠になっていて物語の始まりである。掛け紙には愛らしいかぐや姫の絵と、JR東海社長賞受賞の文字が誇らしげに躍り、2000年に950円で買ったものとは少し違って見えた。売店のお姉さん一押しで、「この地方ではゆで落花生をよく食べます。それと餅米の入った米を一緒に炊き込んだ、もっちり感のあるご飯を、おかずと共に楽しんで下さいね~」という笑顔と言葉にうまさが倍増したのは言うまでもない。笑顔の売り子さんとの対話は、もう一つのおいしい調味料とも言えるだろう。

 ご飯の上に細く切った錦糸卵を敷き詰め、その上にサクラエビ、ホタテ貝の照り焼き、キンメダイの塩焼きの海の幸。そして絶対に欠かせないと言えるタケノコは先の軟らかい部分が2片入る。その他ニンジン、椎茸、菜の花漬け、栗などが所狭しと並び釜飯風の弁当に仕上がっている。

 サクラエビは甘い味付けで、ゆで落花生入りご飯と一緒に食べると、口の中で落花生の歯応えのある硬さと、甘みのあるサクラエビが味のハーモニーを奏でて実にうまい。鯛めしのように、シンプルにサクラエビを一面に敷き詰めた「桜えびごはん」の駅弁があっても間違いなく買うだろう。

 ご飯はどの具材とも相性が良く、満月に見立てたのか黄色の栗の甘露煮は最後にデザート感覚でいただいて物語が完結した。

 容器の竹籠は持ち帰って小物入れなどに使うことも出来て思い出になり、次回また食べたいと思う駅弁になった。

 1150円。東海道新幹線・新富士駅「富陽軒」☎0545・61・2835

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