福岡で多頭飼育崩壊…殺処分逃れたニーナちゃん、東京の里親の元で日々成長

渡辺 陽 渡辺 陽

ニーナちゃんは、福岡県南部の多頭飼育崩壊現場からレスキューされた。もしレスキューされなければ、殺処分の対象になるところだった。東京都に住む笹森さんは、2匹目の犬は保護犬を迎えようと思っていたのだが、ニーナちゃんを譲渡サイトで見つけて会いに行った。

 

多頭飼育崩壊の現場からレスキュー

ニーナちゃんは、福岡県南部の多頭飼育崩壊現場から救出された子だ。飼い主は、捨て犬を保護して飼っていたが、不妊手術をしなかったので、約80匹まで犬の数が増えてしまったのだという。保健所から2019年6月末までに引っ越すか、それができなければ殺処分もやむを得ないという通達が届いた。

全国から集まった保護団体がレスキューし、個人で引き取りたいという人も現れた。東京都町田市の保護団体「小さな命を守る会」でも数匹保護した。その中の1匹がニーナちゃんだった。他の犬たちも、みんな保護され、殺処分を免れた。

トイレシートの上で固まる

東京都に住む笹森さんは、1匹のミニチュアシュナウザーのオリバーくんを飼っていたが、「2匹目がほしいね。次は保護犬にしよう」と夫婦で話していた。

「テレビ番組などで保護犬のことを知り、なんとか助けになれたらいいと思っていたんです」

8月上旬、笹森さんは、譲渡サイトでニーナちゃんをみつけ、オリバーくんを連れて会いに行った。さらに1週間くらい検討して、8月18日からトライアルをスタートした。

ニーナちゃんは、ずっと丸くなって、トイレシートの上で固まっていた。名前を呼んでも反応しない。なでさせてはくれるが、ずっと怯えているようだった。最初の一週間はほとんど食べず、一週間経っても、ドライフードを2粒くらい口にして他のところで食べるということを3、4回繰り返し、後は残していた。

ガリガリにやせ細り、まったく筋肉がなかった。お水もほとんど飲まなかったが、預かりボランティアにもらっていたおやつは食べた。

日々成長

ドライフードを食べなかったので、鶏のささみをゆでたものを食べさせたり、ごはんにおやつをトッピングしたりすると、少しずつ食べる量が増え、元気になってきた。椅子の下にもぐって暗がりでじっと過ごしていたが、だんだん外に出ている時間も増えてきた。

笹森さんが帰宅して、「ただいま」と言うと迎えに来てくれるし、オリバーくんを可愛がっていると、「私も遊んで」と言いにくる。オリバーくんは、多少うなったり、甘噛みしたりするが、一緒に暮らしている。

「1日1日、小さな成長が見られるんです。うずくまっていたのが立ってくれたし、立っただけだったのに一歩踏み出すことができた。ごはんも全部食べるようになり、トイレもできた。笑顔を見せてくれたなど、マイナスからの成長だったので、毎日が喜びなんです」

今日こんなことができた、あんなことができた、お散歩もできるようになった、ドッグランでもノーリードで遊べると話は尽きないという。

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