衝撃ミステリー「屍人荘の殺人」原作者の意外な素顔…映画化インタビューでなぜかアニメ愛を語り始める

黒川 裕生 黒川 裕生

関西の爆音上映の聖地・塚口サンサン劇場でガルパン

今村は1985年生まれ。神戸出身で、現在も神戸に住む。読書遍歴については、これまで多くのインタビューで語っているため、今回は映画化を記念して映画遍歴を振り返っていただこう。

「ほとんど見てないです」

なんと。

「映画館には本当に遊園地気分で行くので、重い話や真面目な話を見ることがあまりなくて、見る前から何が起こるか大体わかるアクション映画のようなものばかり。映画に関しては、本当に語ることがない(笑)。監督名とかも全然知らないし、こんな作品を書いておきながらミステリーとかもあんまり見ないです」

なななんと!

「今までで一番多く見に行った映画は『ガールズ&パンツァー(ガルパン)』の劇場版。塚口サンサン劇場(兵庫県尼崎市)の爆音上映にも行きましたよ。今年の夏だと『プロメア』とか…。アニメは好きですね。あと、ガンダム。問答無用でガンダムは見に行きます。『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』(2018年)は良かったです!」

そんな今村は、「屍人荘の殺人」映画版をどう見たのだろう。

「自分が普段書いている本格ミステリーは、どうしても一部の本好きが楽しむものになりがちなんですが、どんな趣味の人でも楽しめる間口の広い作品になったなと感じました」

「原作にすっごく忠実に作ってしまうと、本当に原作ファンしか楽しめない感じになったかもしれません。映画ならではの工夫もあり、『こんなやり方、見せ方もあるのか』と勉強になりました」

監督は木村ひさし、脚本は蒔田光治。2人とも、ドラマ版「金田一少年の事件簿」に携わった経験がある。

「『屍人荘の殺人』を書く上で最初にイメージしていたのが『金田一少年の事件簿』。第一の殺人、第二の殺人が起きて犯人を見つける―というオーソドックスな形にしようと思っていたので。木村監督は映像でトリックを見せるパワーがある。いろんな道具を使って鍵を開けたり、エレベーターを動かしたりというのは、文章よりも映像で見せられた方がインパクトがあるし、真相を知ったときの衝撃も大きい。このあたりは、映画を見た人こそ楽しめるんじゃないかなと思います」

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