万歳?いえスマホ撮影です!即位パレードに映る「令和」らしさ

ハイヒール・リンゴのつぶやき

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 先日行われた天皇陛下の即位祝賀パレード、本当に華やかでしたね。即位パレードなんて一生のうち何度も見られるものではありませんし、各局とも趣向を凝らした番組内容でしたが、NHKの視聴率27.4%はさすが。それだけ大勢の方が注目されたのでしょう。

 沿道に詰めかけた人が盛んに手を振っている様子も映し出されていましたが、現場で取材していたあるアナウンサーによると、最多は「雅子さまー!」。続いて年配の方を中心に「万歳!」とか、「おめでとうございます」と呼び掛ける人も。中には「こんにちは」という声もあったらしく「それは違うやろ(笑)」と思わずツッコんでしまいましたが、こちらが想像していたような「万歳ウエーブ」のようなものはなかったそうです。

 その理由は、実は「スマホ」。沿道の観衆を横から撮った写真ではまるで万歳のようなのですが、よく見れば皆両手でスマホを掲げて世紀の瞬間を記録しようと背伸びしています。だから「おめでとうございます」と思っていても声が出ないんですって。そこが、今から26年前の天皇陛下のご成婚時のパレードとの大きな違い。あの頃はスマホどころか携帯電話だって出始めでしたし、この光景って、なんだかすごく「今風。」

 沿道に詰めかけた方は、手荷物検査で大いに並び、さらに皇室側も国民との距離を近くと思って下さり、警備の警察官までも威圧感を減らすため腕章を直前に外すなど特別な対応をしていました。それもまた「今風。」

 そういえば、あるタレントさんの学校では運動会のビデオ撮影が禁止になったそうです。以前から私学の中にはそういう学校もあったようですが、保護者がみんなビデオを撮るから「頑張れー」と応援したくても隣の人に「シッ!!」と言われてしまい、何も応援のない異様な運動会になってしまったのだとか。そこで撮影禁止にしたところ、翌年から昔のように歓声が上がる運動会に戻ったそうです。

 確かにかわいい子どもの晴れ舞台でしょうしビデオは撮りたいでしょうが、弊害が大きくなれば禁止も手段としては良いのでは。その学校は「記録より記憶」と舵を切ったのでしょうが、最近ではお葬式もビデオを回すか聞かれるほど。

 今回の即位パレードも多くの方が「記録に残したい」と思われたのでしょう。私はどっちかというと「記録」より「記憶派」。確かに記憶って忘れてしまいがちですが、本当に覚えておきたいことは絶対忘れない。かといって、記録が悪いわけじゃない。そんな意味でも、「令和」らしい光景だったな、と思うのです。

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