ワンちゃんにも快適な老後を 老犬介護ホームって…どんな施設?

山本 智行 山本 智行

 さらに、愛犬用の歩行器や車椅子を充実させ、ワンちゃん用のトイレも設置。介護する際に最も気になる臭い対策として200万円をかけ、オゾンを使った空気清浄器を導入。この8月からオゾン水とマイクロバブルでのシャンプーなど、いいものはどんどん取り入れている。

 「オゾンは脱臭と除菌効果もあるんです」と竹内さん。なるほど、室内に入った際に嫌な臭いを感じなかったのはこれらのおかげだったようだ。この日がたまたま研修初日だった神戸動植物環境専門学校の三宅佳穂さんも「とてもきれいで清潔なので驚きました。ワンちゃんたちも穏やか」と関心しきりだった。

 当然、健康面にも気を配り、ドッグフードはこれまでの経験を踏まえ「ドッグスタンス鹿肉 麴熟成」に。さらに動物専用酸素カプセル「DOGS ONE+」も設置している。

 この10月に亡くなった愛犬チョコを預けていた大阪市在住の藪本みちこさんは「最初は介護施設なんて、と思いましたが、認知症になってふだんの対応に困っているときにメローさんを知り、預けることに。寝たきりで歩行を諦めていましたが、歩行器を使って散歩しているところを見たときは涙が止まりませんでした」と振り返る。その後も飼い主に寄り添い、適切な治療や親身になってアドバイスを送ってくれたという。

 「預けて3日後には一人で歩けるようになり、1週間後には施設一番の走り屋に。毎日たくさんの仲間と映った動画を送ってもらい、最後の最後まで犬本来の姿で見送ることができ、感謝の言葉しかありません」

 このホームでは老犬はもちろん、若いワンちゃんはペットホテルとして利用でき、年上犬と接することでしつけが身につくこともあるという。竹内さんが最後に言った。

 「お世話している犬が亡くなるのはつらいですよ。でも、飼い主さんから”ありがとう”と言われると報われます。それまでクレームばかりの仕事でしたから。”ありがとう”の言葉に力をもらっています」

 ペットにも飼い主にも穏やかな余生を。”犬の送り人”はそう強く願っている。

▼老犬介護ホーム「メロー」
 大阪市城東区放出西2-4-13(JR放出駅、鴫野駅から徒歩約15分)
 電話06(6955)9001

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