娘にとって親の家業は継ぐ? 継がない? マスオさんがいいの? アトツギ娘たちの悩みとは?

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 今回は、マスオさん的ポジションの男性も参加していたが、山田さんは「マスオさん型アトツギは究極のヘッドハンティングだと思う。同族会社ゆえの経営手法を第三者的視点で客観的に捉え、時代に応じた変化を進めていくことができ、会社を大きく成長させられる」と自身の経験を振り返った。

 祖父が日本で初めての子ども用補助輪を手がけ、現在は父ひとりで家業を担う「株式会社安井製作所」の中村綾さんは「子ども用補助輪を日本で作っているのは、父だけ。私が継がなくては、この商品は日本からなくなってしまう。今は、別の仕事をしながら、父を手伝っている状況だけど、そろそろ考えなくてはいけないと思って。こういうイベントへの参加をしてこなかったので、いろいろな業種のアトツギの意見を聞けたことは貴重でした」と話した。

 また、2年前に父が経営する会社に入社した「株式会社シークェンス」の安達由佳さんは「山田さんや竹内さんの話に刺激を受けました。法的なことや経営のことを勉強しつつ、自分なりに組織をどうしていくかを考えたい」。

 「平安伸銅興業株式会社」の竹内さんは、「私も後継者になった頃は、先輩経営者にたくさん相談して、助けられました。でも男性の経営者には、結婚や育児と仕事の両立について聞くという発想もなかった。アトツギ娘が集まると、やはりそういう話題で悩んでいるんだと実感しました」と。今後も、自分が年長の経営者にしてもらったように 次の世代に伝えられることは発信していきたいと語る。

 「有限会社文化農場」を営む小野さんの「家業を継ぐのは、息子だけじゃなくて娘もいるはず。世のアトツギ娘たちはどうしているんだろう?」という素朴な疑問からスタートして開催にこぎつけた同イベント。「同じ境遇の人が周りにいない状況だったけど、頼もしい仲間が増えた」と喜ぶ一方で、「信頼される後継者になるには、現場を知らないとダメ。地に足の着いた仕事をやってこそ、自分らしい経営者になれるとわかりました」と話した。

 後継者がいないため、廃業を余儀なくされる企業も多いなか、家業を継いであらたな分野に挑戦するなど、活躍するアトツギ娘の存在はたのもしい。「ぼくらのアトツギベンチャープログラム事務局」では、今後もアトツギたちのイベント活動を発信するという。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース・宮前 晶子)

ぼくらのアトツギベンチャープログラム事務局  https://next-innovation.go.jp/renovator/

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