駅構内にうわさ話のようなシールがあふれるように…これってなに?『神戸うわさプロジェクト』

山本 明 山本 明

―どんなことを伝えたい、と思いましたか。

「例えば、2020年の6月から市営地下鉄の三宮~谷上駅間が現行の550円から280円に値下げされるんですね。でも地下鉄利用者でも知らない方が多かったりして…まずはそういうところから伝えていきたい、と思いました」

―どれくらいの方々がかかわっていますか。

「庁内では『うわさ部』という、有志が集まる部活動のようなかたちで今年の9月に募集をかけました。事前告知なしの急な応募でしたが、最初のミーティングに60人以上が集まり、現在63人が部活動に参加してくれています。これは自分にとっては予想外の数字。20~30代の若い人が多いのですが、上は50代もいます。職種もまちづくり課や広報課はもちろん、各区の現場の担当者や水道局や消防局の職員、そして区長まで参加してくれています」

 ―活動のインスピレーションとなった山本耕一郎氏とのつながりは。

「わたし自身、八戸まで行って、八戸で興したプロジェクトの手法を神戸の地で行政の情報を市民に伝える、というかたちで実施してもいいか許諾を得にいきました」

「ご快諾いただき、部の一回目のワークショップではご本人に来神いただきました。以後、ひと月に一回は来神いただき、ご助力いただいています。ポップのフォントはヒラギノゴシックを用いること、文字の行間の詰めや、特に伝えたい情報の強調の仕方などさまざまなアドバイスをいただいています。トイレの女性マークと男性マークがうわさ話を会話調でしているふうにしたら面白いのでは、というのも山本さんのアイデアです」

―反響はどうでしょうか。

「地下鉄三宮駅の構内のうわさ話のポップは10月11日から貼り付け始めました。部内の若い人たちと共に、一枚、一枚、駅構内に貼っていきました。その際『北区は(夏場でも)エアコンなしで寝れるらしい』といううわさを貼り付けている最中、通りすがりの女性に“昔はそうやったけど今はアカンで、無理やで”ってお声がけいただいたり。SNSでも“地下鉄三宮駅に6月1日から280円っていっぱい貼ってあった”と画像と共にアップしてくださっている方も。見てもらえていると実感しています」

―今後はどんな「うわさ話」を?

「子育て関係の情報をもっと「うわさ話」として伝えていきたいですね。神戸市は実は、子育て応援サイト「ママフレ」をはじめ、新婚のための助成金を最大で30万円支給したり、中古住宅のリノベーション費用を50万円負担したりしています。このリノベーション費用負担は、市外からの移住ですと最大70万円まで支給されるんです。意外と、こういうことを知らない人も多いので。そういう行政の情報だけでなく、市内の素敵なスポットや、暮らしのお役立ち情報なんかも織り交ぜつつ、この部活動が市民と行政のつなぎ手となれば、と願っています」

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