同社は「人に関する部分ですと、オーナー様への対応です。当社ではアルバイトの募集に関してシステム的なバックアップをしています。例えば、応募のプログラムのコストダウン。24時間のコールセンターで、お店への応募の電話を(オーナーに代わって)対応します。また、オーナーヘルプ制度として、冠婚葬祭や急な疾病等に対して本部でバックアップします」という。
さらに、外国人店員の増員について問うと、同社は「外国人の方にかかわらず、シニアの方たちも対象にした接客研修の場を設けています」と育成の方針を掲げ、「バックアップ策をしっかりして、オーナーさんが安心して経営していただく環境をご提供していきたい」と強調した。
「いずれにしても『脱24時間』は時代のニーズ」と渡辺氏は語る。「80年代には『深夜族』が出てきて、90年代は『24時間戦えますか』というキャッチコピーが流行語になった。だが今は『働き方改革』で、働き方が問われている時代。脱24時間営業は進むでしょう」と分析した。
そこで、ふと、思い出した。2011年3月11日の東日本大震災による福島第1原発事故から86日後となる6月5日、原発から20キロの警戒区域の境界線を記者が取材で訪れた際、近くに1軒あったセブンイレブンは午後3時閉店だった。住民は避難しており、警察官以外で人の姿を見かけない地域だったが、それでもコンビニは必要とされ、緊急事態における特例の“時短”が実施されていた。それは「必然」だった。極端な例ではあるが、今回の時短営業も、時代のニーズという「必然」が日常生活の中で顕在化した現象といえるだろう。