学校は超法規的聖域?理由なき慶大アメフト部の活動自粛、事実を開示すべき

夜回り先生・水谷修/少数異見

水谷 修 水谷 修

 慶大アメリカンフットボール部が今月15日に「活動を無期限で自粛する」と発表した。HP上に掲載したリリースで「複数の部員による著しく不適切な行為」と理由を挙げたのみで、詳細はいまだに公表されていない。厳しい処分内容に対して、当然、求められるべき理由が公に明かされていないため、メディアではその「不適切な行為」について具体的な報道がされている。教育家の水谷修氏は大学側に「事実を開示すべき」とつづった。

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 慶應大学のアメリカンフットボール部が、部内の複数の部員による著しく不適切な行為により、無期限で活動を自粛するという報道がなされました。それは合宿中の複数の部員による女子露天風呂の盗撮だと、一部の報道機関から報道されています。それが、事実であるかどうかは、未だ不明ですが。

 慶應大学にお願いがあります。これが事実でないならば、すぐに、本当の理由を開示して反論して欲しい。そして、そのような虚偽の報道をした報道機関をきちんと法の場で訴えて欲しい。しかし、もし、これが事実であるならば、これらの行為は、法によって、特に各地方自治体の「迷惑防止条例」によって禁じられている犯罪です。すぐに警察に通報し、司法の場で、きちんと処理していただきたい。

 しかも、犯罪である以上、その事実を知り得た人間には、通報義務があり、それを今までしていなかったことは、犯人隠匿、犯罪隠避にあたる犯罪です。今まで、この事件に関わり、それを犯罪として通報しなかったすべての人間を、警察に自首させて欲しいと、私は考えています。そして、司法の場で、関わったすべての人間は、裁かれ、その責任を負い、償うべきです。それこそが、本当の教育だと私は考えます。それをしないと言うことは、大学当局の自己保身と見なされてもしょうがないでしょう。

 今、問題となっている、神戸市の小学校での教員による「いじめ」と呼ばれている犯罪でも、これまで、絶えることなく続き、たくさんの尊い子どもたちの命を奪った、学校内での「いじめ」とされている恐喝、強要、暴行事件でも、文科省、教育委員会はもとより学校自身も、その内部の問題として処理し続けてきました。そして、これらの問題を解決できるどころか、さらに悪化させています。

 確かに、その姿勢の背後にある考え方には、歴史的原因があります。それは、理解できます。戦前の教育のように、国家や官憲、軍が教育に直接関与することを排除し、教育の中立性、独立性を保たなくてはいけない。そのためにも、学内の問題は、学内で解決、処理に当たる。しかし、学校といえど、やはり我が国の法の下で保護され、活動している場です。その中で、我が国の法に背く行為があった場合は、きちんと警察、司法の力を借りて、その解決を図り、関わった生徒や職員に、法の下の裁きを受けさせることは当然のことでしょう。

 慶應大学には、まずはその見本を示して欲しいと考えます。まずは、加害当事者と事実を知りながら未だに警察に通報していないすべての関係者は、すぐに警察に行って、すべての事実をきちんと話し、自分のしてしまったことを償って欲しい。私は、そう考えます。

 最後に慶應大学にお願いです。ただ、加害学生や関係者を退学や免職によって処分するのではなく、罪を償ったならば、再度大学に戻して欲しい。被害者が認めてくれたならば…。

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