東西コリアタウンの今…戦後最悪と称される日韓関係の影響は?

山本 智行 山本 智行

 戦後最悪の日韓関係と言われる中、大阪・生野、東京・新大久保ともコリアタウンは連日10代から20代の女性を中心に賑わっている。下支えしているのはK-POPファン。いまはBTSに代表されるように“第3次韓流ブーム”だという。画家でもあり、親子二代にわたって生野コリアタウン中央(御幸通商店会)の会長を務めるハン・ソンヨクさん(63)にインタビューしてみた。

 JR鶴橋駅からゆっくり歩いて10分ほどで生野コリアタウンに着いた。お昼前なのにかなりの賑わい。そのほとんどが女性で20代前後が目立った。ここに立つと日韓関係の影響はどこ吹く風のよう。ハン会長もうなづく。

 「確かに、そうですね。それほどの影響は感じませんね。というのもいまは第3次韓流ブームと言われていて、ヨン様の1次、少女時代とかKARAが2次。そして、いまはBTSらダンスミュージックが主流で若い子が多いからでしょう」

 生野コリアタウンがいまのような形になっていく契機のひとつが2002年の日韓共催サッカーW杯。そしていまから15年前にドラマ「冬のソナタ」が放送され、韓流ブームの火付け役となった。

 「最初は40代から50代、主婦や中年女性が多く、雑貨が売れました。それがドラマ“チャングムの誓い”などで年齢層が20代に下がり、いまは10代から20代に。政治に対する意識は高くなく、テレビドラマよりダンスが好きな世代が訪れるようになっています」

 通りの長さは600メートルほど。その両脇にキムチをはじめ食料品店、飲食店、衣料品や雑貨店など120店舗がびっしりと軒を並べる。ハンさんは先代から引き継いだ徳山商店を拡大し、いまや日韓に3カ所の食品工場を構え、韓国食品を全国に卸している。店内をのぞくと、様々な食料品があり、いま韓国土産で人気ナンバー1の「ハニーバターアーモンド」も置かれていた。

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