もうすぐ増税!タバコを止めれば治療費と家計支出のスリム化も夢ではないかも

ドクター備忘録

中塚 美智子 中塚 美智子
増税が禁煙するチャンスかも!(onigiri1/stock.adobe.com)
増税が禁煙するチャンスかも!(onigiri1/stock.adobe.com)

 来月1日から消費税率が10パーセントになりますね。切符もハガキもカットも値上げ。ランチもお茶も飲み代もアップ。360度ドライブレコーダーも予約待ちで、増税前に装着できないことが判明しました。今後どこで支出を減らすか、本当に頭が痛いところです。

 そんな頭を痛めるみなさまに、突然ですが問題です。

 「タバコをよく吸う人にみられる口の中の状態は?【1】歯が黄色っぽい、【2】歯石がつきやすい、【3】歯茎が黒ずむ、【4】口臭がひどい」

 答え「全て」

 タバコを日常的に吸っている方の歯にはヤニ、つまりタールといわれる発がん物質がつくため、【1】歯が黄色っぽくなります。タバコによって部屋の壁は黄色っぽくなりますが、歯も壁紙と同じ状態になります。

 タールには粘りがあるため、歯に付くだけではなく、歯の表面に汚れや虫歯の原因となる細菌もくっつけてしまいます。さらに悪いことに、タバコに含まれるニコチンによって唾液の量が減り、細菌が十分洗い流されません。そのため歯垢や【2】歯石もつきやすく、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。虫歯や歯周病にかかると口臭も発生しますが、タールの臭いも混じるため、タバコをよく吸う人は【4】口臭もひどくなります。想像するだけで倒れそうですね。

 ニコチンは血管をキュッと締めてしまう働きを持つため、歯茎に流れる血液の流れが悪くなり、【3】歯茎が黒ずんできます。ニコチンは有害物質で、体内で処理するのにメラニン色素の沈着を抑える働きがあるビタミンCが必要ですが、ニコチン処理により不足し、歯茎や唇にメラニン色素がついて黒ずんできます。

 ニコチンにより血流が悪くなると、血液の中に含まれるヘモグロビンによって運ばれる酸素、栄養が行き渡らなくなり、口の粘膜の細胞の入れ替わりも鈍ります。歯周病が進行すると顎の骨も溶け、歯を失うことにもなりかねません。糖尿病にかかっている場合、歯周病が悪化すると糖尿病にも悪影響を及ぼすことがわかっています。

 さんざんタバコの悪口を書いてしまいましたが、タバコも漏れなく増税対象。止めると歯茎の色は少しずつ明るくなりますし、適切な治療を受けることで口や全身の状態も改善し、余計な治療を受けずに済みます。タバコを今月中にスッパリ断つと、治療費と家計支出のスリム化も夢ではないかもしれません。

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