歯磨きは歯を「1本ずつ」磨くイメージで

ドクター備忘録

中塚 美智子 中塚 美智子
歯を1本ずつ磨くイメージが大事です
歯を1本ずつ磨くイメージが大事です

 歯は1日何回磨けばいいでしょう?虫歯の原因になる歯垢が食後8時間前後で形成されることを考えると、1日3回、食後に歯を磨きたいですね。

 上顎の奥歯の表側や下顎の前歯の裏側は、唾液の出口が近くにあるため、唾液の成分によって歯垢が硬くなり、約2日で歯石になります。歯石になってしまうと歯磨きでは取れませんし、歯周病の原因になるので注意が必要です。

 歯磨きの際、歯を「1本ずつ」磨くイメージを持ってみてください。鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、毛先を歯に確実に当て、ゴシゴシこすらず、毛先が曲がらない程度の力で丁寧に汚れを落としていきます。

 奥歯を磨く時につい口を大きく開けがちですが、頬の筋肉が緊張するため、歯と頬の間に歯ブラシを入れにくいです。口を半開き程度にすると筋肉の緊張が和らぎ、奥歯にも歯ブラシを当てやすくなります。

 親知らずは磨くのが難しいですが、毛が一束のワンタフトブラシを用いるとピンポイントで毛先を当てられ、効果的です。親知らずの他、歯並びが悪いところや上顎の前歯の裏側など磨きにくいところにも毛先が当てやすいので、是非1本持っておきたいですね。

 歯と歯の間の汚れは、隙間の広さに合ったサイズの歯間ブラシ、またデンタルフロスを用いましょう。歯と歯の間の歯茎は刺激に弱い構造をしています。歯茎が傷つくと、傷口から入った細菌が原因で炎症を起こすことがあるため、力を入れずに軽く動かします。

 歯を磨いたら、歯の表面を舌の先で触れてみてください。ザラザラとした感じがあればまだ汚れが落とし切れていない可能性があります。再度歯ブラシを当て、ザラザラを取りましょう。

 歯磨きは時に煩わしく感じますが、テレビなどを見ながらでも構いません。健康維持のために、お互いがんばっていきましょう。

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