水中にぷかぷか浮かぶのは軽石? それとも玉コンニャク? 京都市にある京都水族館(下京区)の公式ツイッターに投稿された動画が話題を集めている。黒い斑点に覆われた丸い物体が水槽の中を浮遊している映像だ。よく見ると、目や鼻のような模様もある。そう、これはお昼寝中のアザラシです。
動画に写っているのはゴマフアザラシのメスのハマちゃん20歳。同館に3頭いるゴマフアザラシの最年長で、体も一番大きいのだという。
広報担当の松本亜季さん(26)は、撮影の経緯をこう説明する。「ハマはマイペースでのんびり屋さん。リラックスして水中に浮かんでいる様子は時折見かけます。でも、動画のようにじっと眠っている姿は、なかなかお目にかかれない。同僚がスマートフォンで撮影したのですが、私たちスタッフから見てもレアな映像です」
撮影ポイントは水槽を見下ろす2階のスペース。ハマちゃんのぽっちゃり体形とおおらかな性格、絶妙なカメラアングルが組み合わさることで、だ円形の石が水中に浮かんでいるかのような映像が得られたのだとか。
でも、そもそもなぜ、アザラシは水中で眠ることができるのだろうか。松本さんは「人間よりも多くの酸素を体に貯蔵することができるからです。長くて20分程度は息継ぎせず水中で眠ったり、水中にいたりできるといわれています」と解説する。
動画をツイッターに投稿したのは8月5日。それから2週間ほどで「いいね」のクリック数は過去の投稿動画で最多の4万超となり、再生回数も約75万回に上った。
「来館者の方も、運が良ければ、動画のようなハマの姿に出合えるかもしれません」と松本さん。これで来館者が増えたら、立派な孝行娘だね。