全国の厳選ラーメンが集結 麺ライターが推奨する「なんばラーメン一座」ですするべき4杯

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 6月に開店した「エディオンなんば本店」(大阪市中央区)9階に、全国から厳選されたラーメン店が集結した『なんばラーメン一座』が誕生した。

 北海道から福岡県まで、関西圏を中心に9店の人気ラーメン店が集結。ラーメン好きなら既にご存じだろう今年最大の注目麺スポットに、連日訪れすすりまくった。

 場所は髙島屋大阪店から北へすぐ、もとは大阪市立精華小学校だった場所だ。家電量販店「エディオン」の旗艦店として堂々誕生した大型店舗のなかでも、ラーメン業界やラーメンフリークたちに大注目のフロアが今回のターゲット。エレベーターで9階まで一気に行く。いま注目と思われる4店を紹介する。

 まずは「せたが屋」から攻める。東京は世田谷区、環七通りのラーメン激戦区の覇者とも称される、一大看板が関西初出店。今やニューヨークにも出店するほどの超有名店の登場とあって、関西一円のラーメンフリークたちが訪れる。

独特のコシがある麺は、京都の名製麺所による「せたが屋」

 濃厚魚介スープにぷるりと独特のコシがある麺、これは本店などとは異なり、京都の名製麺所「麺屋 棣鄂(ていかく)」製だ。煮干し、鶏ガラ、豚骨の醤油スープに見事にマッチ。

 卓上にあるかえしタレの「ガツン汁」とガツンカレー(粉)、刻み玉ネギなどで味変可能。豚バラのチャーシューもホロホロでトロトロ。完汁必至のバランスで、どうやら醤油が下総の熟成系とか。関西人にとっては新鮮な印象で、湯浅のそれとはまた違った熟味がしみ入る。

魚介の旨みが花開く塩ラーメンを「ひるがお」で

 続いてお隣にあるのは、「せたが屋」のセカンドブランドとして都内に5店舗展開する「ひるがお」。塩ラーメンを二毛作ブランドとして立ち上げ、実店舗化され、せたが屋のツートップとも言われるラーメンだ。

 貝柱をたっぷり使ったスープは、最初のひと口目はほどよい旨みと濃度。少しおとなしめの印象であったが、いやはや数口目から魚介の旨みが花開くように広がり、あっという間に完食してしまった。グルメ漫画の作中で「味見して少し物足りないくらいが丁度完食するによい」というエピソードをよく見かけたのだが、ああこのことでしたかー、と空になった鉢で顔を覆いながら感じた。ひるがおならぬ、汁顔か。ひるがお盛りならチャーシューやワンタンなど具だくさんで満足度もさらにアップだ。

名物の車麩を浸して、スープの風味を味わう「和海」

 そして、関西で人気の行列店へ。そのひとつが武庫川にある「和海(なごみ)」(兵庫県尼崎市)だ。鶏ガラベースに豚や魚介を合わせ、旨みを出したスープが圧巻。塩らーめんは創業当初から人気の1杯。あっさりに見えて旨みの濃度が高いのが分かる。細麺のスムーズなのど越し、噛むと風味も歯切れも良い。

 名物の車麩を浸して食べれば、麺と味わうのとは違ったスープの風味が感じられる。本店の行列を知っている方なら、14時頃とはいえスルリと入店できるのは、涙モノと言ってもおおげさじゃないとご理解いただけるはずだ。

油かすの甘みほとばしる黒ラーメン「和dining清乃」

 ラストは、和歌山県有田市に本店がある「和dining清乃」だ。こちらも大阪初出店。定番の「清乃和歌山ラーメン」と迷った末に選んだのが大阪店限定の「清乃ブラック」だ。黒々とした醤油スープに大阪らしい牛ホルモンと油かす入り。油かすとは牛の小腸から脂を取るために熱し、揚げたようになった「カス」であるが、これがうどんにもお好み焼きにも合う大阪下町の味を支える濃い味アイテムなのだ。

 そのホルモン系の甘みと香ばしさが、スープにじわじわと溶け出していく。太めの平打ちストレート麺にスープと脂が見事に絡む。強者客はトッピングでホルモンや油かすを増量して食べていた。見た目ほどしょっぱくないので、全汁したくなる旨さ。

 ほかにも北海道から「らーめん吉山商店」、福岡から「麺処 金田家」と、旅気分が味わえる店が並ぶ。関西圏からは「別邸 たけ井」(京都府城陽市)、魚介豚骨・自家製麺の「吉み乃製麺所」(大阪市西区)と、福島区にあった自家製麺・魚担担麺・陳麻婆豆腐「dandan noodles」が迎え撃つ形となった。

 いずれも本店と限りなく変わらない味が楽しめるのだから、行列に並ばなくても、遠征しなくても、難波のこの地で食べ歩くことが可能。もちろんラーメン一座店で味の傾向とメニュー選びの対策を練ってから、本店詣でに出向くのもよし。いすれにせよ本店にはないこの場所だけのメニューがあるのだから、ラーメン初心者にもマニアにも、定期的に訪れたくなる「聖地」誕生、といえるだろう。ぜひ、全軒制覇に挑んでもらいたい。

(Lmaga.jpニュース・曽束政昭)

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