童謡でおなじみのセルロイド人形 実はアメリカではなく葛飾生まれ!?

年季の入ったセルロイド人形(goldpix/stock.adobe.com)
年季の入ったセルロイド人形(goldpix/stock.adobe.com)

 戦争で「ドイツのおもちゃ工場が軍需工場化して生産を中止。アメリカはドイツからおもちゃを輸入していたが、それが出来なくなったことで日本が輸出することに」なったのがその理由。先述の渋江公園周辺地区には、江戸時代から髪飾りやくしなどを作る飾り職人が大勢おり、おもちゃ作りの環境も整っていた。

 その後に始まった太平洋戦争でも、この地区は空襲による被害が比較的少なかったといい、おもちゃ作りの街として復興した。高度経済成長期には「だっこちゃん」が大ブームになったり、「リカちゃん人形」「人生ゲーム」「GIジョー」「チョロQ」などヒット作が続々と誕生。おもちゃ工場は、葛飾だけでなく、周辺の江東区、台東区、墨田区などにも数多く存在した。

 こうした下町の工場は零細企業が多く、現在は高性能ゲーム機の隆盛、外国メーカーの進出、円高などもあって厳しい状況が続いている。しかし、おもちゃ作りにはアイデア勝負の側面もある。人気ドラマ「下町ロケット」ばりに「下町オモチャ」の一発逆転劇はあるのだろうか。

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