解体工事は8月1日から来年1月31日までの予定。居酒屋と書店は6月末で閉店し、7月は工事に向けた準備期間になりそうだ。
最後の夜、店内は遅くまで満席状態が続き、中に入れない人たちが外で待った。記者も含めた待機組に気さくに声をかけながら、自作だという「傷だらけの天使」の缶バッジをプレゼントしてくれた男性に話を聞いた。
「このビルの近くに住みたくて代々木にいる」という47歳の男性は30年前の高校生時代にビデオで“傷天”にはまった後追い世代。「20年前までは地下にパチンコ店があった。こだわりのある居酒屋も。4階には予備校の教室があり、さらに上には住居もあって。正月はなぜか(ビル内の扉が)開いていて、屋上に出られた…」と、思い出を語った。
最終回、建設会社の主任(森本レオ)が修に対し、解体工事のために立ち退きを伝える場面があるのだが、店に集った傷天ファンは「あのシーンがついに現実になってしまった。レオが本当に来た」としんみり。もちろん、これも時代の流れだと重々承知だが、思い入れが強いほど寂しさは募る。それだけの力があるドラマだったのだと改めて実感した。