鉄ちゃん、鉄子たちは怒っているぞ! 一方的な知識披露、マウンティングに「ドン引き」

広畑 千春 広畑 千春

 周子さんは大学で鉄道サークルに入り「ゆる鉄」歴は3年。休みのたびに、三重県内にある、通常のレール幅より狭い「ナローゲージ」線を全線制覇したり、青春18きっぷを駆使してローカル線を訪ねたりしてきたといいます。

 「女子が珍しいのは分かるけど、私は模型鉄でも撮り鉄でもないんです。乗り鉄としても知識量や熱量は及ばないですが、私たちは好きな鉄道のことを、好きなように堂々とやりたいだけ。面白い話なら歓迎ですが、価値観を押し付けないでほしいし、勝手に『自分を分かってくれる人』と姫扱いしてチヤホヤされるのも気持ち悪い。放っておいてほしい」と訴えます。

 こうした女子たちの悩みに、日本鉄道写真作家協会理事の野沢敬次さんは「鉄ちゃんが一概にそんな人ばかりではないんです!」と擁護しつつ、「一般的に、男性は何日も前から撮影ポイントを決め、一つの場所から全形式・車番の電車を撮ったり、乗り鉄なら常に車窓を眺めて往復の景色の違いを目に焼き付ける『使命感』に燃えたりと、とにかくこだわりが強いけれど、例えば女性の撮り鉄さんは、その場その場で見たものを直感的にカメラに納め、アングルも斬新なことが多い。電車に乗っているときも、車窓だけでなく車内の雰囲気やデザイン、行程そのものを楽しんでいると感じます」と解説。

 「そもそも、乗り鉄だろうが撮り鉄だろうが一人でできる趣味ですし、コミュニケーションが苦手な人が多いのも事実。さらに、男性同士だと知識量や経験値を競い合うことが評価につながりがちで、そういう男性的なコミュニケーションしか知らずに育ってしまうことも、女性側の違和感のもとになっているのかもしれませんね」と話します。

 ただ、今では大学や高校などの鉄研でも女子部員が増え、「ゆる鉄」を志す男子部員が目立つようになり、状況は大きく変わりつつあるのだとか。結局は、あまり男とか女とか固定観念にとらわれず、お互いの価値観を大切にすることが一番なのかも。

 というわけで、鉄ちゃんの皆さん!「女子にマウンティングは、価値を下げる」-。これ大事です! そして、女子の皆さんに野沢さんからひと言。「基本的に鉄ちゃんはエロくないです!だって、鉄ちゃんの愛(エロス)は基本的に鉄道に向いてますから!」とのことでした。

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