「残酷」を名乗るマラソン大会、全く残酷ではない説 兵庫の名物大会ルポ

黒川 裕生 黒川 裕生

 高石さんの後押しもあって、頂上付近の正気を疑うような急斜面もどうにかクリア。すると視界がパカーンと開け、眼下にランナーたちが小さく見えた。「頑張って!」。標高604.7mのキャンプ場、こんな場所にも地元の人たちが給水所を設けて応援してくれている。ありがとうございます!

 下りで面白かったのは、本当に家々の間を縫うように走るコース。それぞれの家の前では住民が椅子を出して応援してくれており、距離感が非常に近いのが印象的だった。ようやく山を下り切った、と胸をなで下ろしたのも束の間、コースはまた無情にも、向かいにそびえる別の山の中へ…。絶望する私たちを励ましてくれたのは、やはり地元の人たちの温かい声援だった。山の入口を風船で飾りつけた気遣いにエネルギーをもらい、足を引きずりながらどうにか踏破することができた。ありがとうございます!

 無意識のうちに何度も感謝の言葉を綴ってしまうほど、大会はピースフルな空気が満ちていた。ゴール会場で振る舞われたのは、そうめんとトマト。…そうめんとトマトて!と一瞬思ってしまうのだが、ズタボロの体にはこの素朴な味わいが最高に沁みた。ありがとうございます!

 確かにコースは残酷なほどにきついが、雰囲気は最高。もちろん、来年も出場したいと思います。リピーター率が7割を超えているのも納得の素敵な大会でした。感謝です!

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース