獣医師としておすすめする猫の避妊・去勢手術 喧嘩ばかりしていた小鉄君の場合は…

小宮 みぎわ 小宮 みぎわ

 私はそんな小鉄君の膿瘍の治療をするたびに、『去勢をすれば今ほど喧嘩しなくなるので、小鉄君の健康のためにもなります。手術にはちょっとお金はかかりますけど、結果的に喧嘩によるケガの治療代より安くつきますよ。』とお話していました。そして、2年前に…ついに、小鉄君の去勢手術をすることになりました!いつものように、小鉄君が喧嘩して左耳を咬まれ、膿が出て顔がドロドロになって来院した時、傷の洗浄をするために全身麻酔をかけなくてはならなくなりました。あわせて同時に去勢しては…という提案に、ついに飼い主さんが同意されたのです。

 手術は問題なく終わり…そしてその後、小鉄君は急速に喧嘩に興味がなくなっていきました。外にほとんど出なくなり、体重は4・4キロから5・3キロに増え、いつも険しい顔つきだったのが温和な穏やかな顔になりました。もう、喧嘩をして膿瘍を作って動物病院へ来ることもなく、お昼寝ばかりの、平和な日々を送っています。でも…小鉄君にとっては、いったいどちらの生活が良かったのでしょうか?私はもちろん、猫の飼い主さんには『去勢して室内で飼ってあげてください。』と申し上げておりますが…。小鉄君は何も語りません。私は動物病院でしか小鉄君に会えないので、ちょっと寂しいです。

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