「エンドロールに自分の名前が出たときに、体全体が震えることがありました。そこで自分の仕事に対する責任が生まれた気がします」と心境の変化を振り返りながら「様々な人とのいい出会いがありましたし、自分が参加した作品を観て、笑ったり泣いたりしてくれる観客の皆さんがいる。その姿に背中を押されたという部分も大きいです。だって映画館で上映される作品に自分の名前が大きく出るなんて、凄いことですよね」。
「まあいいかぁ」から26年。映画、テレビドラマ、舞台、コント番組、CMと、女優・西田尚美を見ない日はないのではないか!?と思わされるほどの多忙ぶり。プライベートでは11歳の娘を持つ母親。西田にとって反応が気になる一番の観客こそ、その愛娘かもしれない。「娘とは一緒に出演作品を観たりしますが、私については何も言いません(笑)。でも集中して作品を観てくれていたりすると、何かを感じてくれているのかなと思いますね」。最も大切な観客の横顔に目を細める日々だ。
2019年下半期も多忙が予想される。「本当にありがたいことです。オファーをくれる方々には『私を思い出してくれてありがとう!』という気持ち」と恐縮しながら「作品によって役柄も色々ですが、与えられた役柄に毎回ハマれたらいい。そして観客の皆さんに『この人なんなの?』と興味を持っていただければ、それだけで嬉しいです」。ものすごく多忙な人は、飾らず気負わず自然体の人だった。それが魅力的な演技の源なのだろう。