茶会の亭主は、茶器はもちろん掛け軸や花まで、すべての道具や空間を季節やテーマにあわせて調える。この日、床の間に掛けられた軸は、奈良らしい「鹿千匹」の画。茶杓には未来へ期待を込めて「これから」という名をつけた。奈良は「わび茶」の祖とされる村田珠光生誕の地であり、珠光発案といわれる茶筌が国の伝統的工芸品として作り続けられる茶道ゆかりの場所。藤田芸香亭では、これからも様々なコンセプトで、開かれた茶会を行う予定だ。
5月19日には、縁結びで知られる奈良町の御霊神社で、合同の野点茶会が行われる(11時~15時30分に随時お点前※雨天中止)。新緑の奈良観光の途中に、一服いかが。