道路にたたずんでいた子猫、耳が聴こえず右目も見えなくなったが…

渡辺 陽 渡辺 陽

 「耳が聴こえてない。そう確信した時、この子をうちの子として迎えることにしたんです」

 「福」という名前は、野良猫時代に苦労した分、福がたくさん来るようにと名付けたそうだ。

福くん、トキソプラズマで失明

 福くんを保護してから4年、2016年5月に、福くんが突然、眼をつむったまま動かなくなってしまった。

 「とても辛そうだったので、すぐに病院に連れていきました。でも、その病院では原因が分からず、眼圧が上がったままの状態が続き、網膜が剥離してしまったんです。通院していたのに失明するなんて。ショックと同時に、福に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました」

 その後、検査の結果、福くんはトキソプラズマの強い陽性反応が出て、ぶどう膜炎を発症、右眼を失明した可能性が高いと分かった。おそらく、脳障害の原因もトキソプラズマだと診断されたという。獣医師によると、トキソプラズマ陽性でも、症状が出る猫は診たことがないという。

 耳が聴こえず、失明もしてしまった福くん。脳障害の影響なのか、普通の猫なら飛び乗れるところから落ちてしまったり、不自然に首を振りながらご飯を食べたりするということがある。それでも山田さんは、福くんのことをよく観察し、福くんの部屋には障害物を置かないなど、愛情をたくさんかけて育てている。

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