「遠くに住む人から、どうしてそばにいてくれないんですか、と言われたことがあります。その言葉が忘れられなくて。なんとかして会える距離にいない人にも寄り添いたいと思い、「がん患者の家族を救う55のQ&A」という本を出版しました」。
病院のがんコーナーで酒井さんの本を見つけた人から、わざわざ連絡をもらうケースもあるという。
話を聞くうえで大切にしているのは、「答えを出すのはあくまで相談者自身」という姿勢。「相談者の多くは、怒りや悲しみなどの感情がごちゃまぜになって、問題が複雑になっています。お金の問題や、トラブルが重なってしまうことも。それらを一つ一つ整理して、解決方法を提示するのが私たちの仕事だと思っています」。
酒井さんが目指すのは、がん患者さんとともに闘う家族が、当たり前にサポートされる社会だ。「孤独を感じている人に、ひとりじゃないよと伝えたい。そのために講演活動もしています。呼んでいただければ全国どこへでもとんで行きますよ」
◆「がん患者さんの看病をしている人のサポート協会」HP
https://gankanbyou.jimdo.com/