5周年を迎えた国内最大の総合アニメイベント「アニメジャパン2018」が3月に東京ビッグサイトで開催され、来場者がコスプレイヤーを撮影する屋外のコーナーもにぎわった。そこで感じた“コスプレイヤーの流儀”をまとめてみた。
会場では、人気コスプレイヤーの前に長蛇の列ができていた。最も多いと感じたのがカナダ出身で東京を拠点に活動する「ヒラリーアン」さん。最終日に『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカに扮(ふん)し、記者も約20分待ちでシャッターを切ることができた。
コスプレイヤーたちは自身のツイッターのアカウントなどを記したボードを持参。それを提示し、撮影者は画像を送って共有する。自分の楽しみにとどまらず、本人にも確認してもらうという相互フォローの関係にある。そこに現場での撮る者と撮られる者の“流儀”があると感じた。
ヒラリーアンさんは「私のツイッター(official_hirari)を見てほしい」とアピール。アクセスすると、その活動を網羅した多彩なコスプレを楽しめる。
同様にツイッターアカウントを掲げた「も乃(もの)」さんは20代の会社員で、土日に活動する“週末コスプレイヤー”。人気ゲーム『Fate/Grand Order』のキャラ「エレキシュガル」に扮した。「私の場合は5年くらい、ゆるりとやってます。知人が来て『久しぶりだね』『次はこんなことやらない?』なんて話をしたり、一緒に写真を撮ったりするのが楽しいです」と語った。
また、漫画『文豪ストレイドッグス』の登場人物にふんした7人のグループが撮影に応じてくれたのだが、国木田独歩に扮した30代の男性会社員に聞くと「みんな個別に来て、会場でつながりました。それでも見事にキャラがかぶっていなかった」という。同じ作品のキャラクター同士が初対面でも以心伝心で連帯。しかも“すみ分け”ができている。国木田氏は太宰治やドストエフスキーにふんした女性らと旧知のように写真に収まった。
撮影者とコスプレイヤーの相互フォローと、作品がつなぐ連帯。初対面でもコミュケーションがはかれるという「現場の流儀」が、アニメイベントでは確かに存在していた。