鈴木亮平もお気に入り!鹿児島ご当地Tシャツが人気、「西郷どん」も「しろくま」も

西松 宏 西松 宏
一番人気の西郷どん白Tシャツを着る脇さんと、店に飾られている鹿児島ご当地Tシャツ=鹿児島市内
一番人気の西郷どん白Tシャツを着る脇さんと、店に飾られている鹿児島ご当地Tシャツ=鹿児島市内

 西郷隆盛(西郷どん)、桜島、芋焼酎、鳥刺しなど、鹿児島の人たちが愛する人やもの、風景などをユニークな筆致で表現したデザインの鹿児島ご当地Tシャツが、いま注目を集めている。1月7日から始まったNHK大河ドラマ「西郷どん」で主人公の西郷隆盛を演じる俳優の鈴木亮平も自身のブログで紹介するほど気に入っている。

 JR鹿児島中央駅から徒歩10分。アジアン雑貨店「BARIPA(バリパ)」の店内には個性的なデザインのTシャツが並ぶ。愛嬌のある目をした西郷どん、西郷どんが飼っていた愛犬ツン、「オヤットサァ」(おつかれさま)の文字に7:3などと目盛りの書かれた焼酎コップ、頭からしょうゆを垂らされドキッとする鶏、噴火する桜島、相づちを打つ時に「ですです」と言う人たちなど、鹿児島人なら誰でも「あるある」と思ったり、にやっと笑ってしまうデザインが全12種類(うち西郷どんのデザインは白黒の2種類)。

 手がけているのは、生まれも育ちも鹿児島の店主、脇素行さん(49)。1994年8月のオープン以来、主に東南アジアなどの雑貨、アクセサリー、洋服などを販売している。

 脇さんは高校卒業後、鹿児島市内のレンタカー会社に就職するも、「自分が本当にやりたい仕事がしたい」と3年で辞め、雑貨店を開業するため、その後5年間、大阪でトラック運転手をして資金をためながら問屋で修行を積んだ。「あたたかみや懐かしさがあり、色彩や造形など日本人にはない感性に引かれた」とアジアン雑貨の魅力を語る。

 鹿児島ご当地Tシャツが生まれたのは今から3年前。地元百貨店のバイヤーの一言がきっかけだった。

 「それまではオリジナルキャラクターのTシャツの販売をしていました。あるとき、桜島や桜島大根のデザインをたまたま描いてみたところ、そのTシャツの売れ行きがふだんの倍くらいよかったんです。バイヤーさんから『鹿児島に特化したデザインで作ったら面白そう』と言われ、なるほどと。僕ら鹿児島人が心のよりどころとして愛するものを、自分なりの視点で表現することで、これまでにない鹿児島土産を作るのではと」と脇さん。

 それまでは見過ごしていたが、自分の住んでいる足元にこそ、実はアイデアや宝物がいっぱい転がっていた。

 そこで脇さんは西郷どんと愛犬ツンをはじめ、桜島、芋焼酎、しろくま(かき氷)など鹿児島をモチーフにしたTシャツを次々と製作。デザインは「土産ものらしくなく、おしゃれで、くすっと笑える」をテーマにした。

 売り出してみると、地元の鹿児島人からは「かわいい」「ハートを射抜かれた」といった称賛の声が続々と寄せられ、地元のテレビや新聞で取り上げられるように。今でもそうだが、「このTシャツを着ていると、『あんた面白いの着てるねー』と言われ、会話のきっかけになる」と買い求める地元の人も多いそうだ。

 鈴木は昨年6月1日に自身のブログで、一番人気という背中に愛犬ツンをあしらった西郷どん白Tシャツを紹介。すると全国から問い合わせが殺到した。脇さんは「西郷どんを演じる鈴木さんが僕のTシャツを着て紹介してくれたなんて、本当に光栄でびっくりでした。鹿児島出身で共演者の沢村一樹さんのご家族がこのTシャツを知ってくださっていたようで、昨年、鈴木さんが鹿児島の西郷さんゆかりの地を旅したときに、沢村さんのご家族が鈴木さんにプレゼントしたそうです」と振り返った。

 昨年11月、脇さんはさらに驚くことに。NHKの別の番組の鹿児島ロケで、鈴木が同店にやってきたのだ。「鈴木さんとスタッフの方々が突然、店に入ってこられ、驚きと興奮で頭が真っ白になりました。初めてお会いしたのに僕のことを『脇さん』と親しみを込めて呼んでくれたり、『どんなときにこういうアイデアが浮かぶんですか?』と物作りについて真剣に質問してくださったり。思いやりがあって、おおらかで、笑顔も素敵。まさに西郷どんを演じるのにぴったりの方だと感じました。応援していますので1年間頑張ってくださいとお伝えしました」(脇さん)

 Tシャツ以外には、トートバッグ、フェルトポーチ、コインケース、缶バッジなどもある(これらを総称して鹿児島ご当地グッズ「Kagomania」シリーズという)。中でもいま人気急上昇中なのは、昨年12月に発売された「西郷どんの願い袋」。ハート形で四つ葉の桜島大根を持っている西郷どんが描かれている。中に入っている願い札に目標や願い事を書き、お守りのような袋に入れて持ち歩けば、西郷どんがどーんと願いを叶えてくれるかも。

 「僕の商品を見てくれた方が、くすっと笑って明るい気分になっていただけたらうれしいです。いま鹿児島は『西郷どん』で盛り上がっています。僕も鹿児島に来られる観光客の方々に、商品を通じて少しでも笑顔や元気を届けられたら」と脇さん。日曜夜8時が待ち遠しい毎日を過ごしている。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)

 ※「Kagomania」シリーズの商品は、同店はじめ、山形屋、ドルフィンポート、鹿児島空港、城山観光ホテル、維新ふるさと館(いずれも鹿児島県内)で購入可能。また、一部は山形屋の通販サイトでも販売されている。問い合わせ「BARIPA」住所/鹿児島市西田2-10-13-1F 電話099・259・8008 営業時間午前11時~午後8時 水曜休

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