現存する伝説の「傷だらけの天使ビル」に潜入!萩原健一さん死後、聖地にファン集う

北村 泰介 北村 泰介
「傷だらけの天使」撮影当時のまま現存する代々木会館ビル。この屋上にドラマがあった=都内
「傷だらけの天使」撮影当時のまま現存する代々木会館ビル。この屋上にドラマがあった=都内

 居酒屋の店長に話を聞いた。「小学生の時に土曜夜10時の放送をリアルタイムで見ていた」という50代半ばの男性だ。訃報を受け、4月末現在も、店内に萩原さんの写真やレコードを掲げ、「ショーケン、今までありがとう。私達は貴方を一生忘れない。貴方は私達の心の中で共に生き続ける」という手書きのメッセージと共に、花を手向けた“祭壇”がある。「ドラマと、このビルの関係を知って来てくださるのは40~50代のお客さんが多いです」。“聖地巡礼”の場になっていた。

 ツイッターでは「長く残してほしい建物」「時計が止まっている」「心をわしづかみにされた」などの感動コメントの一方、「近々取り壊しになるらしい」という伝聞ツイートも。店長は「噂なんですよ。『なくなるんですか』と気になって来る方もいますが、取り壊されるのならその前に店も通知するわけで」と説明。権利関係など複雑な問題もあるのだろう。少なくとも「今のタイミングで、すぐに(解体は)ないと思います」という。

 来店する20代客の多くは、写真の中で修の隣にたたずむ亨が「相棒」の水谷豊と同一人物であることを知らないという。だが、一歩外に出ると、インスタ映えする角度でスマホを構える中高年がいる。あのドラム缶風呂のあった屋上にはもう入れないが、カメラを向けると「アキラ~ッ!」「ア~ニキ~ィ」という声が聞こえてくる…ような気がした。

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