韓国の人気男性グループ「JYJ」のメンバー、パク・ユチョン(32)が元交際相手の女性と麻薬を使った疑いで韓国警察に任意で事情聴取されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は19日、デイリースポーツの取材に対し、韓国警察の捜査手法や、韓国の芸能界と警察の関係について言及した。
パクは10日の記者会見で薬物疑惑を否定し、17日に京畿南部地方警察庁に出頭。報道陣に対し、「誠実に警察の捜査を受ける」という姿勢を示した。
韓国メディアによると、警察はパクの元恋人で大手乳製品メーカー創業者の孫ファン・ハナ容疑者を麻薬使用の疑いで逮捕。逮捕されたのは今月4日で、ファン容疑者はパクと一緒に使ったと供述したが、警察がパクの自宅を捜索したのは16日だった。尿鑑定をしても麻薬の成分は検出されなかったという。
小川氏は「捜査の仕方が遅過ぎる。そこに不自然さを感じる。女性の逮捕から家宅捜索までに12日間たっており、常習者でも尿検査では出ないであろう。その間に証拠の“ブツ”を処分したり、自分の身をきれいにし、毛髪を脱色し染め直したり、薬物反応が出ないようにする時間に当てることができる」と、この“タイムラグ”への違和感を指摘した。
小川氏は警察庁刑事局刑事企画課に配属されていた時代に、韓国警察庁との合同捜査の経験がある。現在も韓国の捜査員と交流があり、同国の警察事情を肌で知る。同氏は「韓国の警察には日本の警察のようなち密さがなく、非常に粗(あら)っぽい、と私は感じた。また、韓国の芸能界は警察との間には独特のパイプがあり、そこでの“忖度”も考えられる。捜査を遅らせるなどの配慮があった可能性も否定できない」と推測した。