同会のメンバーは学園祭や地域のイベントに参加し、出し物などでネガティブなイメージの“多浪”を自分たちのアイデンティティーとして、むしろ前面に出します。K.I.さんによると、そうすることで周りに笑顔を届けられ、自分たちも楽しめたそうです。
「目新しさから興味を持ってもらえることも多く、学祭の時など遠方から訪ねてきてくれる人もいます。多浪であることは本当にデメリットばかりなのか、就職活動の結果も実際はどうなのか、記録をとりながら考えています」
多浪であることで日常的にもっとも不都合を感じるのは周りの学生との年齢差。同期の友人からは、普段敬語を使って話している先輩よりもさらに年上の多浪生に対し、どう接すればいいのかわからないと言われることもあるのだとか。たとえ数年であれ、若い学生にとっては大きな差のようです。
入学当初は年下ばかりの同級生の中でうまくやっていけるのか不安を感じる多浪生も多いそうですが、会で同じ境遇の人と知り合い交流するうちに気が楽になるといいます。メンバーの大半は普段は別のサークルやクラブに所属し、時間が合う時に多浪の会の活動に参加。会に所属することが学生生活を楽しむ上で、心のよりどころになっているのかもしれません。
同会には受験生や浪人生から悩みや相談が寄せられることもあるといいます。「やる気が出ない時はどうしていたか」「○○学部に多浪生は何人いるか」といった具体的な質問から、中には「気持ちを奮い立たせてください」といった励ましを求める声もあるそうです。「わたしたちの特異な経験が役に立つかはわかりませんが、何かの助けになれば。回答した受験生から『頑張ります』とお礼を言われるとやはりうれしいです」とK.I.さん。入試を前に、不安や質問したいことがある受験生はLINEで声をかけてみては。
※大阪大学多浪の会LINE@:https://line.me/R/ti/p/%40twa9918r