「茶室の後ろの壁面には、御影の風景を映し出したCG映像が流れているので、四季折々の佇まいを楽しんでいただけます」(臼倉氏)
催される展覧会からも、美術品をこよなく愛した村山の姿がうかがえる。開館から1年、オープンを記念して「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」を5回に分けて開催。現在は最終回となる第5期展「物語とうたにあそぶ」が開催されている。物語や和歌など、文学作品をテーマにしたコレクションをラインナップ。みどころは、源氏物語の作中人物を家系としてまとめた「源氏系図」、そして伊勢物語が精緻な筆致で絵画化された「伊勢物語図色紙」だ。いずれも世界初公開という。
大阪の都市部に位置しているだけに、大阪各所だけでなく東京や四国からも来場客がいるという。「この中之島エリアは、オフィスも多く平日はビジネスマンで賑わいます。しかし当美術館のような文化施設も多くあるので、土日も若い年代やファミリー層に足を運んでもらえるよう、我々がお手伝いしていきたいですね」と臼倉氏は話している。