赤字でも奮闘続ける落語茶屋 「若手」のために…オーナーの熱い落語愛

入谷 晴美 入谷 晴美
落語を披露する露の紫
落語を披露する露の紫

 取材日は“美人落語家”露の紫(45)、昨年の繁昌亭大賞奨励賞を受賞した桂雀太(42)の出演だった。露のは、江戸と上方の賭場の違いを題材にした「看板の一(ピン)」を、雀太は古典落語「芝浜」をアレンジした「夢の革財布」を演じた。両者共にさすがはプロの迫力で、ぐいぐいと引き込んでいく。

 最前列で聴き入っていた中学生の男子は「女性落語家さんの実物は初めて。楽しかった」とにっこり。近所に住む70代の夫婦は「こんなに間近で落語が聞けるとは。楽しいひとときでした」と満足そう。

 露のは「お客さんの反応がダイレクトで勉強になります。(1席)30分という時間もちょうどいい感じですね」。

 落語2席と1ソフトドリンクで1500円。店内はテーブル席と、掘りごたつの座敷があり、くつろげる雰囲気に。料理は気鋭のシェフが手掛ける中華、洋食のメニュー。ローストビーフ500円、酢豚600円などリーズナブル。昼席のランチも炒飯500円などとなっている。

 石川さんは「落語は芸術とも言われているが良い意味で“たかが落語”だと思う。気軽にお酒を飲みながら、若い人から年配の方まで、ゆったり落語を堪能してもらえれば」。

 ただ、目下、赤字が続いているそうで「続けていくためにもいろいろと試みていきたい」と、イベントやサークルなどに店ごと貸し出す「一日席亭」を募集中。「高座は小さなステージにもなり、文化施設のように使えると思う。厨房があるので内輪のパーティーもできますよ」と呼びかけている。

 ▼落語茶屋「あすか」 大阪市住吉区帝塚山東1-3-34 PLOT帝塚山ビル地下1F 阪堺電軌姫松駅から1分、南海電鉄帝塚山駅から8分。落語2席、1ドリンク1500円。アルコールは差額で。予約がベター。「1日席亭」は午前11時~午後5時の利用で8000円、午後5時~同9時は1万円。

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