「神戸と言ったら、石原の裕ちゃんですよ。裕ちゃんの映画祭、あったでしょう」とKОBE裕次郎映画祭に言及しながら、「渡の哲ちゃんも。神戸のいい映画あったよ」。石原裕次郎さんは「赤い波止場」、渡哲也は「紅の流れ星」と、いずれも神戸ロケを敢行した舛田利雄監督の日活アクション映画を念頭に「俺は神戸も大好きですよ」と語った。
関西への思いは膨らむが、本業である新聞配達を最優先する。「関西まで行くのは無理なんだ。現地には監督に行ってもらって情報を聞きたいね」。梅田での初日は佐藤慶紀監督が舞台挨拶する。
「(故郷の)松本でも5月に公開してくれることになってね。海外でも上映できたら最高。ドイツとかね。いいねぇ、映画は。夢をありがとね」。映画館の暗闇で人生を学んだ高倉健さんの「唐獅子牡丹」をラジカセで流しながら、お面の下で小さな瞳が輝いた。