ロキソニンは効きますが…「諸刃の剣」であることを忘れずに

ドクター備忘録

谷光 利昭 谷光 利昭
ロキソニンはよく効くのですが…(C)Fmetamorworks-Fotolia
ロキソニンはよく効くのですが…(C)Fmetamorworks-Fotolia

 「先生、ロキソニンちょうだい!!」。こういった患者さんが時々おられます。この言葉には、大きな問題があります。ロキソニンは非常に素晴らしい薬です。頭痛、関節痛、歯痛、筋肉痛、月経痛、術後疼痛(とうつう)などさまざまな痛みに効果があります。即効性があり効果抜群のために薬局などでも簡単に手に入るようになったのでしょう。ただし、沢山の副作用があることを知らない方も多いのではないでしょうか?

 こういった切れ味の鋭い薬は「諸刃の剣」であることが多いことを理解しておかないと大変なことになります。最近は少なくなりましたが、ロキソニンの副作用で多く認められていたのが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍でした。私が医師になった頃は、薬が発売されてから7年ほどで、この合併症が周知されていませんでした。そのためにロキソニン単独での処方がされることもあり、胃潰瘍などの合併症が多くあったような気がします。現在、病院でロキソニンが処方される際には、必ず胃薬と一緒に処方がなされます。

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