風疹を軽視してはダメ 妊婦は特にご注意を

ドクター備忘録

谷光 利昭 谷光 利昭
風疹患者はついに千人を超えた。妊娠中に風疹になり、その後亡くなった娘の写真を掲げ、ワクチン接種を呼び掛ける可児佳代さん=11日、東京都中央区 (提供・共同通信社)
風疹患者はついに千人を超えた。妊娠中に風疹になり、その後亡くなった娘の写真を掲げ、ワクチン接種を呼び掛ける可児佳代さん=11日、東京都中央区 (提供・共同通信社)

 風疹は三日麻疹(はしか)と言われ、比較的予後が良好な疾患と捉えられがちですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの軽視できない合併症を来すことがあります。

 さらに問題なのは、妊婦さん(妊娠20週頃まで)が罹患すると、胎盤を経由して風疹ウィルスが胎児に感染し、出生児が先天性風疹症候群になってしまう危険性があることです。三大症状として、白内障、心臓奇形、難聴があります。その他、小頭症、小眼球症、発達障害、低出生体重児、溶血性貧血、血小板減少症などの合併症もあります。決して軽視はできません。

 予防するには、風疹ワクチンの接種が一番です。男性はいつでも接種できますが、女性は風疹ワクチン接種後、2カ月の避妊が必要です。ただ、妊娠を知らずにワクチンを接種したとしても、妊娠継続を諦める必要はありません。不明な点があれば、医療機関に問い合わせることをお勧めします。

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