風疹の流行が大きな問題となっています。国立感染症研究所は10月16日に今年の累計患者数が1103人に達し、昨年1年間(93人)の約12倍と報告しました。患者は30~50代の男性が多いです。この世代の男性は国の制度変更によりワクチン接種が不十分で、抗体のある人の割合が低いためだと思われます。
予防接種法上、男性が風疹の予防接種を受けられるようになったのは、1979(昭和54)年4月2日以降に生まれた人だからです。ただし、同4月2日から87年10月1日に生まれた男女は、学校での集団接種ではなく、保護者同伴での医療機関での予防接種であったために接種率が低いとされていました。
そこで、2001年11月7日から03年9月30日までに限り、79年4月2日から87年10月1日に生まれた人に対して、1回だけ定期接種を受ける機会が設けられましたが、この接種率も低迷したようです。このため、接種がなされていなかった年齢層、接種率の低かった年齢層を中心に5年前の13年にも風疹が流行したのです。