「故人宛て郵便物なぜ転送できない?」 郵便局の対応に遺族困惑

京都新聞社 京都新聞社
故人宛て郵便物は転送できない
故人宛て郵便物は転送できない

 「亡くなった祖父宛ての郵便物を自分に転送したいが、郵便局にできないと返答されて困っている」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に、そんな取材依頼が寄せられた。調べてみると、確かに郵便局は故人宛ての郵便物の転送を断っている。しかし、中には遺族に届かないと困る重要な郵便物もあるのではないか。転送ができない理由や遺族が取るべき対策を取材した。

 依頼を寄せたのは、草津市で不動産管理業を営む中村太一さん(30)。昨年11月、母方の祖父が89歳で亡くなった。母は既に死去しているため、中村さんと米国に住む伯父が相続人となり、死後に必要な手続きは主に中村さんが行った。

 祖父は入居していた大阪市内の特別養護老人ホームに住民票を移し、郵便物を受け取っていた。祖父の死後も郵便物が施設に届く可能性があるため、中村さんは自分に転送してもらおうと最寄りの郵便局を訪れたが、局員の返答は「故人の郵便物は転送できない」だった。

 その後、祖父宛てに後期高齢者医療や介護保険、年金関連の書類が郵送で届いたため、特養ホームが中村さんの自宅に送ってくれたが、中村さんは「いつまでも施設に頼めない」と困った表情で話す。

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