つらい花粉症…飲み薬だけでなく治療法はさまざま まずは相談を

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭

 また、意外に知られていないのが、後鼻漏(こうびろう)という症状です。鼻水が鼻から垂れずに、喉のほうに流れていき、知らぬ間に誤嚥(ごえん)してしまい、咳が止まらないなどの症状があります。診察室に入った患者さん自身が鼻水をすすりながら私と話をしているのに、鼻水は一切出ないと言われることが多く、鼻水をすすりながらお話をされていますよと説明をすると納得して頂き、お薬を飲むことについて了承を得ます。薬を飲み始めると劇的に咳(せき)が改善することが多いです。

 また、花粉症を持っておられる患者さんで気を付けないといけないのは、風邪の初期症状と花粉症は症状の区別がつかないことが多いことです。少し前には、発熱症状が乏しいインフルエンザや、喉の痛みだけで発熱しない溶血性連鎖球菌の感染症などが流行っていました。花粉症の薬のみ内服して様子をみていると重症化することがありますので要注意です。

 飲み薬以外では、アレルギーのもとになるとスギの成分を少量ずつ体内に投与するなどの免疫療法が有名です。以前は注射で体内に投与していましたが、最近は舌の下に薬を投与する方法で注射と同等の効果が得られることが分かってきました。学童期のお子さんへの投与が容易になり、生活の質を向上が見込まれます。ほかにも、手術療法など様々な治療法がありますので、花粉症でお悩みの方はまず医療機関で相談することをお勧めします。

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