実は、私の両親は2人とも嵌頓ヘルニアの診断で緊急手術をした経験があるのです。両親は自分の鼡径ヘルニアのことを愚息に相談しませんでした。結果、気付いた時には緊急手術という情けなくも危険な状況になってしまいました。そうならないためにも、鼡径ヘルニアといえども、馬鹿にせず、大事になる前に積極的に病院を受診して下さい。
実は、鼡径ヘルニアには様々な種類があり、手術の術式も様々なんです。解剖の複雑さもあるので、ここで詳細に説明することは控えますが、しっかりとした外科医に手術をしてもらわないと再発などの確率が高くなります。
現在は腹腔鏡などを使用した手術が行われています。私の知っている範囲ですが、美容的にも、解剖学的にも優れた手術をしている医師が近畿中央病院(兵庫県伊丹市)の外科にいます。三井記念病院の後輩である若杉正樹医師です。彼が行っている臍(へそ)からアプローチする単孔式のヘルニア手術は、術後に傷がほとんど分からないだけではなく、彼に依頼した人は術後良好な経過をたどっています。たかが、脱腸、されど、脱腸。みなさん、注意してくださいね。