何でも知ってる隣のおばちゃん…けれど、医師を信頼していただきたい

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 「たにみつ内科」で保管されている患者さんのデータ。これはほんの一部だそうです
 「たにみつ内科」で保管されている患者さんのデータ。これはほんの一部だそうです

 隣のおばちゃんは何でも知っている。

 「先生、血圧の薬は飲んだら一生飲まなアカンやんな!」

 「えっ、誰に聞いたの?」「隣のおばちゃん。」

 「先生、高脂血症の薬って一生飲まなあかんやろ?」

 「えっ、誰に聞いたの?」「隣のおばちゃん。」

 「先生、インスリンって使ったら、もう終わりやんな?」

 「えっ、誰に聞いたの?」「隣のおばちゃん。」

 「先生、がんになったらもう終わりやんな?」

 「えっ、誰に聞いたの?」「隣のおばちゃん。」

 他にも数えきれないエピソードがあります。病棟で進行がんであることを告知せずに抗がん剤の治療をしていた患者さんに対して「あんた、これ抗がん剤やな。大変やな。頑張りや!負けたらあかんで!」って…その患者さんにすれば晴天の霹靂(へきれき)です。もちろん、悪気はないのですが…。

 知りたくなくても色々なところから様々な情報が入ってきます。基礎知識がない一般の人たちが与えられた情報を正しく理解することは難しいと思います。われわれ医師も、薬屋さん(MRさん)から与えられた情報だけを鵜呑みにして患者さんに薬を投与することは危険だと言わざるを得ません。

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