元巨人“浪速のミニラ”高校野球の監督に 「大阪桐蔭、履正社の2強と言わさんよう」

あの人~ネクストステージ

山本 智行 山本 智行
東大阪大柏原の硬式野球部監督として甲子園を目指す土井健大さん
東大阪大柏原の硬式野球部監督として甲子園を目指す土井健大さん

 オリックス、巨人でプレーし、社会人野球も経験した土井健大さん(30)。履正社時代に高校通算43本塁打を放ち“浪速のミニラ”として注目された強肩強打のスラッガーは、昨年10月に東大阪大柏原の硬式野球部監督に就任。同校にとって2011年夏以来となる甲子園出場を目指して日々奮闘中だ。

 生駒おろしが吹き下ろすグラウンドに元気のいい声が響く。

「声が小さい」

「行ける!捕れる!」

「適当に投げんな!」

 新監督は1球1球心を込めてノックバットをふるう。部員も元気ハツラツ。同校の寺川誠校長も「(一昨年12月のコーチ就任時と比べて)選手の表情が違っている。野球部が変わった」と目尻を下げる。2月6日にはグラウンドの土の入れ替えも完了するなど、土台づくりの舞台は整った。

 プロで培った技術を指導する一方で「一流の選手である前に一流の高校生であること」を重視。「目標を持つ」「自己管理」など16カ条の部訓を掲げ、毎日のミーティングで確認する。コーチ就任後、最初に取り組んだのは食トレ。昼食は毎回全員でごはん700グラムをとり、チーム平均で7キロ体重が増えた。

 自身は兵庫・芦屋市出身。高校進学時に履正社を選んだのは、6歳上の兄が大阪大会決勝で敗れた悔しさを晴らすためだった。2年春にセンバツに出場。通算43発を放ち、1歳上に“浪速のゴジラ”岡田貴弘(T-岡田=現オリックス)がいたことから“浪速のミニラ”と呼ばれた。

 「負けず嫌いだったので、あの人より目立ってやろうと。だから練習も必死でやりました」

 06年ドラフト5位でオリックス入団。フレッシュオールスターにも選ばれながら、4年目オフに戦力外通告を受けた。「須磨の海岸で海を眺めた」と落ち込んだが、ひたむきに取り組む姿勢と元気さを買われ、当時巨人の川相昌弘2軍監督から育成選手として声を掛けられた。

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