整骨院が休みの日曜には、故郷の静岡県にある藤枝明誠高校と石川県の金沢龍谷高校の野球部に出向き指導するのが仕事とは別の楽しみ。今もキャッチボールを気持ちよく行うことはできないが、指導者として過ごすうちに「お手本となるボールを放れるようになりたい」という新たな欲求が芽生えてきている。
「これまでは人の肩肘ばかりを診てきましたけど、やっと自分の肩肘を治すつもりでやってもいいかなって。コーチなんだから投げられる方がいいし、自分を鍛え直して生き生きしてないと患者さんも施術受けたいと思わんでしょ」。地域に根ざした整骨院の院長は投球再開を目指して自分自身にも向き合っていくつもりでいる。(デイリースポーツ・若林みどり)
◆田村 勤(たむら・つとむ)1965年8月18日生まれ。静岡県出身。島田高、駒沢大学から本田技研を経て、90年のドラフト4位で阪神入団。プロ1年目から中継ぎ、抑えを務め、翌年から守護神として活躍。93年に22セーブ。当時の球団記録である10連続セーブも達成。オリックスに移籍後02年に引退。通算9年で287試合に登板、13勝12敗54セーブ、防御率2・90。05年から兵庫県西宮市で「田村整骨院」(電話0798・22・3644)を開業。