野々村直通氏が語る「腹切り」発言の真意 元開星高野球部監督は画家&教育評論家に

あの人~ネクストステージ

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野々村直通さんのギャラリーは窓に飾られた似顔絵が目印=松江市内
野々村直通さんのギャラリーは窓に飾られた似顔絵が目印=松江市内

 監督復帰の意欲については「二度とあんな苦しい仕事はしたくない」と否定。その理由について「私は34年間、指導者をしたんですが、甲子園出場は10回。それ以外は全部負けているんです。毎回、命がけでやってきた。そして負けると毎回、人生が終わったような気分になるんです」と、甲子園にかける熱量の高さを挙げた。「腹を切りたい」発言も、命がけで戦い、敗れた将がこぼした本音だったのだろう。

 甲子園大会の抽選会に羽織はかまや派手なスーツで登場し、話題にもなった。“正装”に込めた意味については「夢の甲子園での厳粛な儀式だから、日本人として正装で臨もうと…」と言いかけて「本当はね、他の人がやらないから目立ちたい」と明かすなど、おちゃめに訂正。着物は40着ほどあり、講演会にも着物で行くという。

 夏の甲子園100回大会が間もなく開幕する。球児たちには「われわれは今を生きているが、それは歴史の上にあるということを忘れてはいけない。野球どころではなかった時代があって、今の平和がある。野球ができることに感謝し、真剣で最高のプレーをしてほしい」とエールを送った。(デイリースポーツ・中野裕美子)

 ◆野々村直通(ののむら・なおみち)1951年12月14日、島根県雲南市生まれ。大東高から広島大教育学部美術科に進学。74年に広島・府中東に美術教師として赴任、野球部監督に就任。79年春の甲子園出場。松江日大を経て86年に松江第一(現開星)へ。88年、硬式野球部創部と同時に監督。93年夏の甲子園出場。10年春の甲子園後に退任し、11年4月復帰。12年3月に定年退職。甲子園は通算10回出場。現在は似顔絵ギャラリー(松江市殿町383山陰中央ビル1階)を構える。9月27日から10月1日まで、島根県出雲市・一畑百貨店出雲店で展覧会を開催。

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