♪~岡山です 岡山です 岡山 岡山 岡山です もっかい言うけど岡山です
サッカーJ1・ファジアーノ岡山のサポーターが、童謡「桃太郎」のメロディーに乗せて敵地のスタジアムで歌う応援歌「桃太郎チャント」が、高校野球の聖地で披露された。サッカーの印象の強いチャント(応援歌)の〝甲子園デビュー〟に、SNSでは「桃太郎チャントが甲子園に進出してる」「スポーツの枠を越えて甲子園で歌われる日が来ようとはwww」と話題になっている。
甲子園球場で12日に行われた全国高校野球選手権大会第7日。岡山県代表の岡山学芸館が長野県代表の松商学園と対戦、3対0で岡山学芸館が勝ち上がり2年連続で3回戦に進出した。
試合中、X(旧ツイッター)の投稿が急に増えたのは6回裏の岡山学芸館の攻撃だ。童謡「桃太郎」の「桃太郎さん桃太郎さん」の部分を「岡山です岡山です」に替えて岡山を連呼する応援歌が、岡山学芸館のアルプススタンドから響くと「まさか、甲子園で聴けるとは」「Jリーグで聞いたことあるぞ笑」「ファジのチャントだ」などと現地観戦やテレビ視聴していると思われるアカウントが、動画を付けてポストした。
主にサッカーファンらが引用投稿やコメントを返し、多いもので100万回近い表示を記録している。
野球応援に「桃太郎チャント」を使った理由を、岡山学芸館野球部3年で応援団長の竹中康晴さんはこう話す。「学校にはファジアーノ岡山ユース所属の生徒が通っており、野球部の応援に駆け付けてくれることが多い。彼らにとっても私たちにとっても最近有名になり身近な曲ということで、県大会前の7月に導入を決めました」。J1昇格の勢いにもあやかりたいという。
県大会の時は桃太郎チャントの「岡山」の部分を「学芸」として歌っていたが「甲子園には岡山県内の高校を代表して出場するので県名にこだわり、オリジナルの歌詞に戻した」と応援団で太鼓を担当する野球部3年の武山漣杜(れんと)さん。桃太郎チャントはグラウンド整備が終わった後の6回の攻撃が始まる冒頭に歌うと決めていて、選手が集中を切らさないよう気合を入れるための重要な1曲だという。
甲子園で観戦していた元慶應義塾体育会応援指導部副将で応援芸人の梅田元気よくさんもXに「岡山学芸館『桃太郎チャント』聞いたことあると思ったら!岡山ならではの選曲!!」と投稿している。今回、出場全49校の応援を生観戦しており、桃太郎チャントの使用について「誰もが知っている曲なので観客もすぐに乗れる利点があり、センスが素晴らしい」と山陽新聞社の取材にコメント。他の曲での一体感も含め、岡山学芸館の応援を絶賛している。
岡山学芸館の次の試合は16日。8強をかけて山梨学院(山梨県)と対戦する。竹中さんと武山さんによると、この日も桃太郎チャントで甲子園を盛り上げる予定。2人は「桃太郎チャントは岡山県代表の私たちだからこそ意味のある曲。アルプススタンドの声を一つにまとめて、選手の背中を押したい」と意気込んでいる。