2月14日のバレンタインデーが近づいてきた。女性から男性にチョコレートを贈る日本ならではの年中行事になって40年以上になる。中でも“義理チョコ”は、お歳暮やお中元にも通じる日本独自の文化。スマートフォンが日常生活に溶け込んだ当節は、義理チョコの渡し方にも変化が見られているという。
義理チョコと言えば「ブラックサンダー」。1本30円(税別)という安さで、贈る側の金銭的負担が少なく、もらう側も気を遣わずに済むという“ウィンウィン”の関係を築ける商品だ。1月26日から当日の14日まで東京駅一番街「東京おかしランド」で「義理チョコショップ」を展開し、“ぶっち義理!!”というキャッチコピーで新限定商品「“ギリ”シャヨーグルト味」などを販売している。
同商品を製造する有楽製菓は義理チョコをどう捉えているのか。マーケティング部の内藤瑠美さんは「日頃の感謝の気持ちを気軽に伝えられる“きっかけ”として、いいイベントだと思います」と代弁。その渡し方を聞く中で、最も時代性を感じたのが「ソーシャルギフト」方式だった。
内藤さんは「例えば遠方の人にブラックサンダーを1本だけ贈りたい時、代金を支払って商品を引き換える権利を相手にあげるのです。オンラインでも決済ができ、LINEなどのSNSを通してお友達の元にバーコードを送ります。受けた側はコンビニなどの端末に読み込ませ、出てきたレシートと商品をレジに持って行くと受け取ることができます」と行程を説明した。
「『感謝の気持ちは伝えたいが、30円のお菓子を1本だけ郵送などするのは…』という方でも、これなら気軽にプレゼントできるので多くの方にご利用いただいているようです」と内藤さん。バーコードの贈呈でも義理チョコなら問題ない。
一方で「ブラックサンダー=義理チョコ」のイメージが定着したため、本命のつもりで渡しても、相手に“義理”だと思われたという声もあったという。内藤さんは「口頭で『本命』ということを伝えてあげてください」とアドバイスした。