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乳がん検診で「要精密検査」と言われたら?→8割が「クリニックの選び方が分からない」【専門医が解説】

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

乳がん検診を受けたあと、「要精密検査」という結果が届いたら、どの医療機関を選べばよいのでしょうか。社会福祉法人仁生社・江戸川病院(東京都江戸川区)が実施した「乳がんの精密検査」に関する調査によると、約8割の女性が、乳がんの精密検査先を選ぶ際に何を確認すればよいか分からないと回答しました。調査結果から、精密検査の基礎知識や医療機関選びのポイントを見ていきます。

この調査は、全国の30歳~79歳女性306人を対象として、2026年9月にインターネットで実施されました。

乳がんは、日本の女性にとって身近ながんのひとつです。同院の発表によると、国内では年間約9万4000人の女性が乳がんと診断され、生涯で罹患する女性は約9人に1人とされています。

調査では、乳がんかどうかを特定する確定診断に「組織診(生検)が必要になることがあることを知らなかった」と回答した人が66.7%に上りました。

組織診とは、病変の組織を採取し、顕微鏡で調べる検査です。画像検査で異常が見つかった場合などに、病変の性質を詳しく調べるために行われます。

また、医療機関によって「受けられる乳がんの精密検査の種類が違うことを知らなかった」とした人が92.8%に達しました。

必要な検査に対応していない場合、別の医療機関を紹介され、あらためて受診することもあります。受診先を探すときには、画像検査だけでなく、必要に応じた追加検査まで対応できるか確認しておくとよいでしょう。

精密検査では、使用する機器だけでなく、検査を行う医師や技師の経験も重要な要素になります。

調査では、72.5%が、「担当する医師や技師によって異なる診断結果になり得ることを知らなかった」と回答。

同院の乳腺外科部長・乳腺センター長の田澤篤医師は、「特に組織診では、小さな病変に正確に針を届けて組織を採取する技術が求められる」と説明しています。

本調査で特に目を引いたのが、「検査先選びへの不安」です。

「乳がんの精密検査を受ける医療機関を選ぶ際、何を確認すればよいか分からない」と回答した人は77.8%にのぼりました。

病変から外れた部分を採取すると、実際の病変を正しく評価できない可能性もあるため、田澤篤医師は、「検査の実施体制や担当医の経験を確認することが大切」としています。

では、自身で受診先を選ぶとしたら、クリニックと総合病院・大学病院のどちらを選ぶ人が多いのでしょうか。

調査の結果、「乳腺専門医がいるクリニック」は62.1%、「乳腺専門医がいる総合病院・大学病院」は37.9%という結果になり、最初に検討する受診先としては、クリニックを選ぶ人の割合が高くなりました。

ただし、クリニックと総合病院・大学病院のどちらが適しているかは、施設の名称や規模だけでは判断できません。必要な検査への対応状況や、検査後の診療体制も含めて検討することが重要です。

クリニックを選んだ人が重視している点としては、「紹介状がなくても受診できる」(48.4%)、「予約を早く取れそう」(37.9%)、「自宅や職場から近い」(32.6%)など、受診のしやすさに関する理由が多く見られました。

精密検査が必要と告げられた段階では、まだがんと診断されたわけではないため、大きな病院を受診することに心理的なハードルを感じる人もいると考えられます。

一方で、通いやすさだけでなく、必要な検査を受けられるかどうかも、受診先を選ぶ際に確認したいポイントです。

他方、総合病院・大学病院を選んだ人では、「病院の規模が大きく安心」(56.9%)、「乳がんと診断された場合に、そのまま治療を受けられる」(48.3%)、「最新の検査機器が整っている」(38.8%)といったことが主な理由として挙げられました。

ただし、病院の規模が大きければ必ずしもすべての検査に対応しているとは限りません。実際にどのような検査が受けられるのか、必要に応じた治療へどのようにつながるのかを確認することが大切です。

最後に、「受診先選びで最も重視するポイント」を尋ねたところ、「家や職場から近い」(21.9%)、「早く予約が取れる」(19.3%)、「平日夜間や土日に受診できる」(8.5%)など、利便性に関する回答が全体のおよそ半数を占めた一方、「診断経験の多い医師がいる」(8.2%)を重視する人は少数派にとどまり、診断経験や検査体制よりも、利便性が優先されやすい実態が明らかとなりました。

こうした調査結果を受け、田澤篤医師は、精密検査先を選ぶ際に以下のような確認ポイントを紹介しています。

1.組織診に対応しているか

マンモグラフィや超音波検査(エコー)では、しこりや石灰化などの異常を見つけられますが、それだけで良性か悪性かを確定できない場合があります。

その際に必要となるのが、組織を採取して詳しく調べる組織診です。

組織診が必要になった場合に備え、医療機関の公式サイトなどで対応の有無を確認しましょう。情報が見つからない場合は、電話などで問い合わせる方法もあります。

組織診を実施していない施設では、必要に応じて別の医療機関を紹介されることがあります。受診前に対応可能な検査を確認しておけば、その後の流れを把握しやすくなります。

2.乳がん診療の実績が公開されているか

もうひとつのポイントは、乳がんの診療実績を客観的に確認できるかどうかです。

田澤医師は、精密検査の件数を公表している医療機関は限られる一方、乳がんの手術件数を公式サイトなどで公開している施設もあると説明。

公開情報を確認する際には、手術件数などの実績だけでなく、乳腺診療を担当する医師の体制や、検査から治療までの流れも参考になります。

なお、手術件数は診療実績を知るためのひとつの指標であり、件数だけで診断の質や個々の患者に適した医療を判断できるわけではありません。複数の情報を合わせて検討しましょう。

「要精密検査」と書かれた結果を受け取れば、不安になり、できるだけ早く受診したいと考えるのは自然なことです。

乳がん検診で要精密検査となった場合は、結果を放置せず、検診を受けた医療機関の案内や医師の説明を確認したうえで、適切な受診先を探しましょう。受診先に迷ったときは、検診機関や医療機関に相談することも選択肢のひとつです。

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