相手の話を最後まで聞かずに「分かる!うちもそうでね」とすぐ自分の話題にすり替えてしまう人がいます。本人は場を盛り上げたり共感したりしているつもりでも、周囲は話を聞いてもらえなかった不満やモヤモヤを抱き、次第に距離を置かれてしまうことも少なくありません。
なぜ無意識のうちに相手の話を横取りする「会話泥棒」になってしまうのでしょうか。その深層心理や周囲から好かれる会話のコツについて、臨床心理士・公認心理師で、恋活・婚活スクール【and her】を運営している田口ともさんに話を聞きました。
話を横取りしてしまう深層心理
ー相手の話を途中で奪って自分の話題にしてしまう人がいるのはなぜでしょうか。
「自分もその話題に入れる」という嬉しさやアピールしたい気持ちが働くためというのが考えられます。相手と共通の話題が見つかった際、「自分も同じ仲間だ」と存在を示したくなったり、優位に立ちたい承認欲求からマウントを取ろうとしたりすることが原因のひとつです。
また、「その話なら知っている」と知識を誇示して先輩風を吹かせたくなるケースもあります。相手を蔑む意図はなくとも、自分の存在感を主張したい心理が横取りにつながります。
ー「共感のつもり」で自分の体験談を話す行為が、なぜ周囲から嫌がられてしまうのですか?
相手は自分の話を聞いてほしいのであって、こちらの体験談を聞きたいわけではないからでしょう。本人は「同じ境遇だ」と共感を示して盛り上げているつもりでも、相手にとっては話の途中で主導権を奪われ、消化不良に終わった不満だけが残ります。
悪気がなくても度重なると「自分のことばかり話す人」「会話にならない人」と捉えられ、周囲から人が離れていく原因になります。
ー無自覚に「会話泥棒」になりやすい人の共通点や思わぬ特徴とは何ですか?
相手ではなく自分に意識のベクトルが向いており、そそっかしい性格であることが考えられます。相手の話をしっかり聴くことよりも、「次に何を話そうか」「どう返そうか」と考えを巡らせてしまい、思いついた発言をとっさに口に出してしまう特徴があります。
場の空気を読んでいるつもりでも、相手の話に耳を傾ける姿勢が欠けているため、結果として悪気なく会話を横取りしてしまいます。
ー話を横取りせず、お互いに心地よい「聴き上手」になるための会話のコツは?
相手が話している時は、一度「聞き役」に徹してみましょう。はじめのうちは、「いま言いたい!」と思うことが次々と沸き起こるかもしれません。でも、それを一旦飲み込んでみると、相手からの「聞いてくれて、ありがとう」と「次は私があなたの聞き役になるよ」が返ってくる可能性があります。
自分のテンポを1歩引き、相手の話を最後まで丁寧に受け止める姿勢が、心地よい人間関係を築く鍵となります。
◆田口とも(たぐち・とも) 臨床心理士/公認心理師/LCIQ®︎診断士
「どうせ自分なんて恋愛も結婚もできない…」と自信をなくしている方の背中をピシッとさせてポンッと押したい、という想いから恋活/婚活スクール【and her(あんどはあ)】を運営。あなたを「また会いたい」そして「ずっと一緒にいたい!」と思われる人に育てます。