3児をワンオペ育児する母の奇抜なアイデアがSNS上で大きな注目を集めている。
「今日も通りすがりのママから『そのビブス、どこで売ってるんですか…!』って聞かれたが これは楽天の名入れで作りました。ワンオペ迷子防止に役立ちます。『じなんー 』と雄叫びをあげなくてもよその親切な大人たちが『じなんくんあっちいったよ!』『じなんくん!ママあっち!』と教えてくれます」
とその模様を紹介したのはさゆさん(@____s______)。
背中に「長男(2020)」、「次男(2022)」と大書きされたこのビブス。実は三男のバージョンもあるそうだが、たしかにこれなら子どもたちが駆け回っていても探すのは容易だ。この奇抜なアイデアはどんな経緯で生まれたのだろうか?
さゆさんにお話を聞いた。
ーーこのビブスを作ろうと思われた経緯は?
さゆ:3男出産後すぐに旦那がメキシコ単身赴任で飛ばされ、実家等支援なしの0歳、3歳、5歳ワンオペ育児が始まりました。長男が鉄道ファンで毎週電車に乗っておでかけをしていたのですが、新宿駅や大宮駅など人の多いところで当時3歳だった次男がよく人混みに紛れて姿を消しており、ベビーカーの0歳をあやしながら毎回命が削られる思いで外出をしていました。本当は外出なんてしたくないくらい怖かったのですが、できない言い訳をして子どもたちの生活を変えてしまいたくなかったのです。
ーー想像するだけでも大変なワンオペですね。
さゆ:本当に怖いのは3歳ではなく、周りの様子がわかりはじめた5歳の長男でした。ある時、ロマンスカーミュージアムから姿を消した長男を探し回ったのですが、ミュージアム内で見つからず、交番でも見つからず、お腹が空いた0歳は泣き出し、探し回って歩き疲れた3歳を引きずりながら途方にくれたことがありました。
結局、駅の改札で駅員さんが保護してくれていたのですが、もう会えないのではないかと家族全員、本当に怖い思いをしました。長男は「困ったら駅員さんに助けてもらえば大丈夫!」とミュージアムを出て駅に行ってしまったようでした。
それからしばらくは自家用車ででかけたり、公園を巡ったりして過ごしていたのですが、移動手段を変えても根本的な問題は解決しません。3歳がきちんと集団行動についてくるには限界があるし、5歳の興味も尽きず、0歳のベビーカーは混雑に弱い。母親一人で生活、遊び、移動全てを負うこと自体、無理だったんです。
疲れ果てて「もう無理だ、独身時代に戻りたい」と思っていたら…自分が数年前まで「バスケットボール部の顧問」だったことを思い出しました。
バスケットボール部は男子40人、女子15人ほどの規模でしたが、それを全員連れて、電車に乗せて、毎週毎週、土日休みなく練習試合に連れて行くんです。引率顧問は当時20代だった小娘の私一人。横浜駅で部員がいなくなり、改札で待たせて私が探し回ることも頻繁にありました。
あのときの「なんで!」と、現在の「なんで!」が重なったことがビブス作成のきっかけです。
ーー色味も目立ってわかりやすいですね。
さゆ:色を考える際、多動癖のあるお子さんを見つけやすくするため、全身蛍光イエローのアイテムを身に着けている方の記事を思い出し、参考にしました。先人の知恵に感謝です。
ーービブスのメリットやお子様たちの反応についてお聞かせください。
さゆ:行く先々で「かわいい、かわいい」と声をかけてもらえるようになりました。中にはわざわざ車を停めて、「そのお洋服最高ね!お母さんがんばってるわ!」と褒めてくださる方も。そして、人混みの中で「お母さん!次男くんあっち行っちゃったわよ!」「次男くん!お兄ちゃんこっちだからおいで!」と教えてくださる方や、お店で「はい、長男!おまたせ!お兄ちゃん、がんばってんな!」と子どもに対して声をかけてくださる方がすごく増えました。
普通の格好をしているときは家族だけで孤立した状態でしたが、多くの方が見守ってくれて、それを伝えてくださるようになり、サポートしてもらえる場面が劇的に増えました。「長男」「次男」「三男」という、どこの家庭にも属せる記号なので、まるで親戚が来たみたいに接してくれる大人が多いです。年配の方は「うちの次男はね〜」とご自身の育児と重ねながら応援してくれます。
「かわいい」の一言をもらえるだけでも、次男はご機嫌でニッコニコ。ただ、お年頃の長男は「この服を着てるとかわいいかわいいって言われる!!ぼくはかっこいい!って言われたいのに!」と時々プンプンしているときがあります(笑)。でも、長男がビブスをつけてくれることで、弟たちを守ることができるんだよ、弟たちはみんな長男のところに集まって来れるんだよ、と教えているので、おでかけのときは1番に「ん!ビブス!」と着てくれます。
そして、母親である私自身、大人との会話が増えて、孤独感が減りました。ほんのちょっと挨拶を交わす程度なんですけど、意外と見てくれている人がいるんだな、と思うだけで安心できます。「全部私がなんとかしなきゃ!!」と神経尖らせてイライラしながらおでかけしていたときより、たくさんのあたたかい人の中にいる、一家族として、子どもたちとの時間を楽しめるようになりました。このビブスを着せるようになってから、ヒリヒリするような怖い思いをする時間がなくなったので、できない言い訳を探すことなくどこにでも行けるようになりました。
「お母さん、遠野ってカッパがいるの?」と言われれば岩手までカッパを釣りに出かけられるようになりましたし、「特急あずさに乗ってみたい!」と言われれば山梨まで普通列車を乗り継いでいって、帰りに一区間だけあずさね〜、と早朝からチャレンジしますし、「トーマスが走ってるって本当?」と言われれば静岡の大井川鉄道へ。つい先週は、6泊7日かけてワンオペ3児北海道旅行にいってきました。北海道でもいろいろな場所でたくさんの人が声をかけてくれて、助けてくれて、本当に感謝しています。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
さゆ:「かわいい」「天才」「うちも作りたい」「お母さんがんばれ」「私の時代にこれ欲しかった」など、たくさんのコメントをいただきました。なかでも、お仕事で迷子を探す側の店員さんから「これなら私たちも探しやすい」「お店側としても助かります」と好評でした。
好評いただきたいへんうれしいのですが…この投稿で同じビブスが増えて、うちの子がまた行方不明になることだけが心配です(笑)。
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SNSユーザーたちからは、数々の絶賛のコメントが寄せられた今回の投稿。多くのお母さん、お父さんたちに参考にしていただきたいものだ。
【さゆさん関連情報】
▽Xアカウント
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